10月13日でサービス終了
美容サロン集客サイト「@cosme SALON(アットコスメ サロン)」は、2020年10月13日をもってサービスを終了する。運営会社のアイスタイルが8月13日付で発表した。
■サービス提供終了までのスケジュール
2020年9月15日(火) :サロン予約受付終了
2020年10月13日(火) :@cosme SALONサービスサイト終了
■サービス提供終了に関するお問い合わせ
@cosme SALONカスタマーサポート
URL:https://www.cosme.net/salon/guide/contact/
創業初の減収で不採算事業撤退
アイスタイルはこれまで連続増収を遂げてきたが、8月13日付で発表した2020年6月期決算は売上高305億6400万円(前年比5.1%減)と1999年の創業から初の減収だった。
新型コロナウイルスの影響によるリアル店舗の大幅な落ち込みと海外事業の不振により、営業損益△23億2500万円、経常損益△24億3800万円、親会社株主に帰属する当期純損益△50億200万円と大幅な赤字決算。
このため、選択と集中で立て直しを図るべく不採算事業の整理・撤退を行う。
海外事業については、マレーシア子会社Hermo Creative (M) Sdn. Bhd.(通称HERMO/売上高8億5300万円)の譲渡、中国越境ECの最適化、海外不採算店舗の撤退を進める。
国内事業については、サロン事業を撤退するため、@cosme SALONを終了する。
エステ・リラク中心にヘアサロンや占いまで
@cosme SALONは、エステティックサロン、リラクゼーションサロンを中心に、ヘアサロン、ネイルサロン、アイラッシュサロン、占いサロンまで幅広いカテゴリーのサロンを掲載。
予約・利用で貯まるポイントは、次回のオンライン予約だけでなくECサイト「@cosme SHOPPING」やリアル店舗である「@cosme STORE」などでも使えるという、アイスタイルのグループ力を活かした汎用性が特徴だった。
また、化粧品口コミサイト@cosmeの姉妹サイトとして、口コミの累計数は36万8000件を超える。
@cosmeの口コミ評価によるベストコスメなどを発表する「@cosmeビューティアワード」において、@cosme SALONの口コミ評価によるサロンも表彰するなどして露出を図っていた。しかし、アワードの再編に伴い、2018年よりサロンの表彰はなくなっていた。
⇒関連記事:@cosmeが2018年のモノ・コト・ヒトを発表!ベストコスメ大賞は「オペラ リップティント」。今年最も輝いた人は、渡辺直美
編集長の目
この予約サイトは、元々は大阪のサイバースターが運営していたispot(アイスポット)を、アイスタイルが2012年5月に買収、子会社化したものです。M&Aキャピタルパートナーズの記事によると、株式76.52%を2億7444万円で取得しています。
その後、@cosmeのブランド力を活かすため、2017年12月に@cosme SALONへとサービス名を変更。
グループ内でのポイント連携、テレビや女性誌が多数取材する「@cosmeビューティアワード」で露出を図るなどの施策を打ってきました。
ホットペッパービューティーが圧倒的な強さを見せる分野において、グループ力を活かした独自の取り組みを行うサイトでしたが、その割に利用が進まなかった印象です。特に、美容室経営者の間での認知度はあまり高くないかと思います。
ひとつのサービスだけが強い状態はパワーパランスが崩れやすいので、こうした独自の取り組みを行えるサイトは貴重ですが、母体の経営不振もあってサービス終了となりました。
残念な気持ちはありますが、Googleマップのようなマージン不要で利用できるサービス、SNSを利用した集客が増えていることを踏まえると、予約サイトの収益化はより難しくなる可能性もあり、早期の撤退は経営判断としては正しいのかもしれません。
いずれにせよ、オーバーストアと言われる美容サロンにとって、どのように集客するかは今後も重要な課題であることだけは間違いありません。
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