「原宿 美容室」のように地域+業種でのローカル検索からの集客が増え、Googleマップで検索上位に表示されるようGoogleマイビジネスに力を入れるサロンが増えています。
美容室の集客においてYahoo!マップはGoogleマップほどは話題に上りませんが、2020年6月30日より、Yahoo!マップと同一のサロン情報をYahoo!ビューティーに掲載できるようになりました。
掲載・利用は無料のため、この機会にYahoo!ビューティー、Yahoo!マップを試してみるのはいかがでしょうか。
Yahoo!ビューティー、サロン情報が掲載可能に
Yahoo! BEAUTY(ヤフービューティー)は、ヤフー株式会社が2019年12月に立ち上げたポータルサイトで、「理想のヘアスタイル画像」から「自分に合った美容師」を探せるのが特徴です。
美容室ではなく美容師で選ぶため、minimo(ミニモ)に近いイメージです。ただし、ミニモは予約サイトですが、Yahoo!ビューティーは任意の予約サイトへリンクを張る仕様となっています。
今回の機能拡張は、一義的には「Yahoo!ビューティーにサロン情報も掲載できるようになった」です。
これまでの
・ヘアスタイル写真
・ヘアスタイルを施術したスタイリストの情報
に加えて
・ヘアサロンの基本情報(住所、地図、電話、公式サイトURL、営業時間、支払方法、料金、席数)
・その他の写真(店舗の外観・内観、製品・サービス、衛生情報など)
・サロンの所属スタイリスト一覧 ※Yahoo!ビューティー内の各スタイリストのページへリンク
を掲載できるようになりました。写真はなんと最大251枚も掲載できます。
一般ユーザー(お客さま)がYahoo!ビューティーを利用するイメージとしては
①「ボブ」「パーマ」「黒髪」などのキーワード、「髪の長さ」「年代」などの属性からヘアスタイル画像を探して選ぶ
②ヘアスタイルを施術したスタイリストをチェック
③スタイリスト情報ページの下部からヘアサロン公式情報をチェック
という流れです。
情報が一挙に充実し、予約につなげやすいサイトにパワーアップ。
写真のスペースには「衛生情報」のカテゴリーが設けられ、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたサロンの衛生対策がひと目でわかるようになっています。
サロン情報はYahoo!プレイスから登録
これらのサロン情報は、店舗情報の管理・編集サービス「Yahoo!プレイス」から登録します。
GoogleマイビジネスでGoogleマップを管理・編集するように、Yahoo!プレイスでYahoo! ビューティーを管理・編集できるという仕組みです。
スタイリスト情報、サロン情報、画像投稿は24時間いつでも編集できるため、臨時の休業や時短営業、急な料金の変更などについてリアルタイムで対応可能。アクセス分析もできます。
Yahoo!プレイスは掲載料・月額利用料ともに0円。登録したサロン情報は、Yahoo!ビューティーだけでなくYahoo!マップやYahoo!ロコにも掲載できます。
つまり、Yahoo!ビューティーにサロン情報を掲載するためにYahoo!プレイスを利用する美容室が増えるに伴い、Yahoo!マップに掲載する美容室の数も増えることが予想されます。
また、掲載情報が充実したことでYahoo!ビューティーの利用者(一般のお客様)が増えれば、ここからの連動でYahoo!マップの利用も進むことも期待できます。
ウェブ上で多岐にわたるサービスを展開しているからこそのシナジー効果、月間6000万人が利用するYahoo! JAPANの強みが活きる形です。
今すぐの行動で先行者利益を
Yahoo!マップは以前からあるサービスですが、飲食店やホテルに比べて美容室の利用は進んでおらず、先行者利益を十分に得られる状態です。
試しに、GoogleマップとYahoo!マップそれぞれで「表参道 美容室」と検索してみてください。Googleマップには400件以上の口コミのある美容室がある一方で、Yahoo!マップはほとんど口コミがありません。
Googleマップの方が利用者が多いのは確かですが、ライバルの少なさを考えるとYahoo!マップの活用には十分なメリットがあるのではないでしょうか。
Yahoo!ビューティーの利用サロン
なお、Googleマップとは開きがあるとは言え、Yahoo!ビューティーもすでに、ABBEY、AFLOAT、ALBUM、ALIVE、apish、Euphoria、GARDEN、grico、Heaka AVEDA、K-two、Lapis、Lond、MINX、Salon、SHACHU、SOCO、VeLO & vetica Hair Salonなどの有名サロンが利用しています。
Yahoo!ビューティー、Yahoo!プレイスどちらも、掲載料・月額利用料ともに0円ですが、利用には申し込みが必要です。
編集長の目「小さな池の大きな魚」
記者時代、小林製薬を10年取材していたのですが、そこで繰り返し聞いたのが「小さな池の大きな魚」という同社の戦略です。心理学の用語にもある言葉ですが、小林製薬では別の意味で使っています。
それは「100億円規模の市場で5%のシェア」を取るのも「10億円規模の市場で50%のシェア」を取るのも、売上は同じ5億円。前者はレッドオーシャン、後者はブルーオーシャンなので、後者を取りに行くという戦い方です。
GoogleマップとYahoo!マップにはそこまでの差はないでしょうが、競合他社が力を入れてから追いかけるよりも、今すぐ取り組む方がリターンは大きいかと思います。
Googleマップに引き続き力を入れつつ、Yahoo!マップも活用することで、集客の間口が大きく広がるのではないでしょうか。