新型コロナウイルスの感染拡大、イベントや外出自粛の影響で売り上げが落ちているという美容室が増えてきました。
政策金融機関(政策実現を目的に政府が出資している金融機関)である日本政策金融公庫では、実質的に無利子無担保の融資など、さまざまな対応を取っています。
現状や留意点などについて、国民生活事業本部の担当者の方にお聞きしましたので、ご活用ください。
できるかぎり柔軟に対応中。あきらめずに相談を
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営不振は、急を要する事態です。
日本政策金融公庫では「できるかぎり柔軟に対応する方針」で動いているとのこと。
「この書類が出せないならダメと切り捨てるのではなく、原則はダメでも対応できる場合があるという動き方」をしています。
開業1年目でもOK
融資の条件に「売り上げが前年比5%減」と書かれていると「独立1年目で自分は前年比の実績がないから」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、開業から4カ月経っていれば対象となります。
例えば「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の場合は、直近の売上高と過去3カ月の平均売上高(または令和元年12月単月、10~12月平均)との比較で5%以上減少していればOKです。
また、「確定申告までにすればいいと思っていたので、税理士も頼んでいないし、Excelの売上高管理しかしていない・・・」という方でも、相談に応じるとのことです。
あきらめず、ご相談ください。
新規出店で売上増でも苦しい場合
多店舗展開を進めている美容室の場合、「新規出店をしたので前年比では売上増だが内情は苦しい」ところもあるのではないでしょうか。
このケースについても「原則はダメですが、対応できる場合があるのでご相談ください」とのことです。
運転資金の枯渇による倒産を防ぐため、日本政策金融公庫では柔軟な対応を取っていますので、あきらめず、まずは相談してみてください。
なお、ご相談はすべて、次にご紹介する専用窓口へお願いします。
問い合わせは「事業資金相談ダイヤル」へ
この日訪れた東京中央支店は、融資の相談を待つ人が長蛇の列をつくっていました。
日本政策金融公庫では問い合わせが殺到しているそうです。この対応に時間が取られると、肝心の融資の審査が進みません。
専用窓口として「事業資金相談ダイヤル」が開設されていますので、各支店ではなく専用ダイヤルへご連絡ください。
どのような書類が必要になるのか、あらかじめ目を通した上で相談されると、よりスムーズです。
いま審査中のものが終わらないと、ご自身の融資も進みません。
支店担当者の負担を減らすことが、結局はご自身のためにもなりますので、ご協力をお願いします。
事業資金相談ダイヤル
基本は平日9~17時ですが、3月末まで土日祝日も受け付けています。
▽TEL=0120-112-476(国民生活事業)
▽TEL=0120-154-505(総合)
※総合は音声ガイダンスが流れたら[1] 個人企業・小規模企業の方(国民生活事業)を選択
借入に必要な書類
融資の審査に必要な書類については、こちらの記事をご覧ください。
日本公庫の特設ページ
日本政策金融公庫の特設ページ「新型コロナウイルスに関する相談窓口」に、融資の概要、電話番号、支店一覧がまとめて掲載されています。
創業融資は慎重に
例年、春は美容室のオープンが多い時季です。これから独立するために創業融資を希望されている方も当然多くいらっしゃるかと思います。
しかしながら現在は、現行企業の倒産を防ぐことが急務であり人手がかかるため、創業融資は少しお待ちいただくことになります。
「申し込みから着金まで1カ月」が目安と言われていますが「支店によるが、現在は2カ月でも対応できるかどうか」という状況だそうです。
創業融資を当てにしていても支払い期限に間に合わない可能性もあります。
物件を押さえるタイミングなども含め、慎重に、余裕をもった計画にされることをおすすめします。
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