「美容師の職業病」とも言われる手荒れ。ビュートピアが行った『手荒れ・ハンドケア実態調査』でも、「手荒れしている人」が半数を超え、「以前は手荒れしていた」と合わせると実に8割以上が手荒れを経験していることがわかりました。
さらに今年は新型コロナ対策のために手洗いやアルコール消毒の機会が増えたことから、3割以上の人が「手荒れがひどくなった」と答えています。
しかし、手荒れに悩む人が多いにもかかわらず、ハンドケアは十分にされているとは言いがたいのが現状です。
それはなぜなのか、どうしたらハンドケアを取り入れやすくなるのか。「スタッフファースト」を掲げるIJK OMOTESANDO代表の芝原俊輔さん、スタッフの皆さんと考えました。
目次
- 1. 「手荒れしていない美容師」を新しいスタンダードに
- 1.1 スタッフファーストで健康に長く働ける環境をつくる
- 1.2 手荒れが正義・・・? 業界にはびこる謎の風習
- 2. 気兼ねなくハンドケアできる環境に挑戦
- 2.1 理美容師の「繰り返す手荒れ」に
- 2.2 Report① 「ベタつかないのに膜は張っている感じ」
- 2.3 Report② 「塗ってすぐにハサミが持てる」
- 3. 美容師の手荒れ ハードとソフト両面の課題
- 3.1 スタッフにはツライ思いをさせたくない
- 3.2 結局はスタッフをどれだけ大事に思うか
- 3.3 接客業としての配慮は売上につながる
- 4. より多くの方に試してもらいたい。初回お試し価格は550円
「手荒れしていない美容師」を新しいスタンダードに
芝原 俊輔
しばはら・しゅんすけ/IJK OMOTESANDO代表
1990年、大阪府生まれ。2016年に25歳で独立して「IJK OMOTESANDO」を表参道にオープン、2019年に拡張移転。2019年に深夜食堂「BAR Lm.」、2020年にパーソナルトレーニングジム「IJK GYM」をオープン。
スタッフファーストで健康に長く働ける環境をつくる
有名サロンがひしめく表参道に、25歳で自身のサロンをオープンした芝原さん。
月火2日連続の定休、正月休み7日、お盆休み4日と美容業界ではめずらしく休暇がしっかり取れる上、バックルームでのご飯・味噌汁食べ放題、自社で運営する飲食店を半額で利用できたり、ジムに無料で通えたりなどユニークな福利厚生も充実。IJK OMOTESANDOは、スタッフを大切にした働きやすい環境で知られています。
こうした“業界の当たり前”にとらわれず「健康的に長く美容師でいられるように」というスタッフファーストの姿勢は、手荒れ問題においても同じです。
手荒れが正義・・・? 業界にはびこる謎の風習
「寿司職人の爪が汚かったらお客さんは嫌でしょう? なのに美容師は、ヘアカラー剤で染まった黒い爪や指先を見せて『どや!』ってなってしまっている」
と、芝原さんは指摘します。
「この業界には、苦労するのが正義みたいなところがあって、それが謎の風習を生んでいる。仕事中にハンドクリームを塗るのを女々しいと思うのもそう。汚れた爪が正義とか、手荒れが正義とかダサいじゃないですか。僕らは接客業、おもてなしをする側なのだから、手荒れしていない美容師という新しいスタンダードをつくっていくべきだと思う」