コロナ禍で注目のDX(デジタルトランスフォーメーション)。美容業界でも、ネット予約やキャッシュレス決済などDXが進んでいます。美容サロンにおけるDXに関する利用意識やニーズについて解説します。
文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
目次
①コロナ禍で「キャッシュレス」「ネット予約」を使う頻度が増加
DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術による、製品やサービス、ビジネスモデルの変容です。
コロナ禍を機に使う頻度が増えた「オンラインやデジタルツールを使ったサービス」を聞くと、1位は「キャッシュレス決済」、2位は「商品・サービスのネット予約」でした。
日本の2021年のキャッシュレス決済比率は、32.5%(「経済産業省」2022年6月発表)で、堅調に上昇しています。コロナ禍で、現金の受け渡しを避けることが増えたのも影響しているでしょう。予約も、密の回避から利用頻度が増えたと考えます。
それでは美容サロンではどうでしょうか?
②美容サロンで利用してみたい・今後も利用したいサービスは?
美容サロンで利用してみたい・今後も利用したい「オンラインやデジタルツールを使ったサービス」では、男女とも1位に「ネット予約」、2位に「キャッシュレス決済」がランクインしました。美容サロンのネット予約はここ10年で大きく伸びています。
電話予約が減った背景には、ネット予約の「いつでもどこでも」予約できる利便性が大きいでしょう。若年層では、電話で話すことがそもそも減っており、デジタルコミュニケーションが主流になっています。
また、美容サロンでもコロナ禍の感染症対策として、キャッシュレスを取り入れるサロンも増えました。釣銭の間違いがなくなる、レジ締めの時間が短縮できるなど、サロン側のメリットもありますね。
③DXで「効率化されてうれしい」男女とも8割以上
「オンラインやデジタルツールを使ったサービス」に対する意識を聞いてみると、男女とも「時間や手続きが効率化されてうれしい」が8割以上、「もっとこのようなサービスは増えるべき」が7割以上も。DXに対するポジティブな意識がうかがえます。
一方で、「このようなサービスにはついていけない」や「慣れたやり方が変わるのは困る」などのDXに対するネガティブな回答は、ポジティブな回答を大きく下回っていました。