カット技術に定評があるMINXにおいて、カット教育の責任者を務める土屋サトル氏(取締役兼銀座店ディレクター)。
“感覚派と理論派の橋渡し”をモットーとする土屋氏が、「言語化しづらい」「教えづらい」という悩みを打破するヘアカットの技術本『MINXカットアカデミー』を上梓した。
基本の8スタイルを解説する「ベーシックカット編」、写真からダイヤグラム(展開図)を起こしてカットする「コピーカット編」、お客さまへの似合わせを実践する「モデル編」と盛りだくさんの内容で、“カットで勝負したい美容師のためのテクニックブック”となっている。
※以下、女性モード社からの寄稿をもとに編集しています
文・写真 女性モード社
セミナー動員1万人超の人気講師
MINXのベーシックカットは、創業者の高橋マサトモ会長がその土台を築き、岡村享央社長が磨きをかけてきた。
そのカットマニュアルは、美容専門学校の教材にもなっているほどで、この系譜をつぐ土屋サトル氏は社内外でカット教育を行っている。
土屋氏は一般社団法人アジアビューティアカデミー(ABA)の理事・教育委員長として、アジアにおける日本公認「美容インストラクター」資格の普及に努めており、これまでに6カ国でセミナーを開き、延べ1万人以上を動員している。
カットの精度や再現性高める展開図
土屋氏はまた、月刊「ヘアモード」の連載でも好評を博している。
2020年に、「描ける! 分かる! 切れる! 『カット図』描き方講座」を全4回で連載。ヘアデザインをカット展開図で分析することにより、カットの精度やヘアスタイルの再現性を高められることを説いた。
その1年後には「誌上MINXアカデミー」を全6回で連載。これに、モデルを用いたケーススタディなどを充実させたのが、2022年1月25日発刊の『MINXカットアカデミー』だ。
4構成のMINX教育カリキュラム
『MINXカットアカデミー』は、MINXのカット教育カリキュラムの4つのカテゴリーにあわせて構成されている。
A)グラデーション系を中心とした普遍的なヘアスタイル
B)レイヤーベースの汎用性の高いスタイルと毛量調整のマスター
C)ヘアスタイルの構造を読み解いてカットプロセスを組み立てるデザインプランニング
D)モデルに対する似合わせと素材対応を実践する
連載ではA~Cを取り上げたが、単行本でDのケーススタディが加わった。
Dは、カウンセリングやデザイン提案から、オーダー決定のフロー、施術プランの立案、技術プロセスまでを網羅しており、より実践的でサロンワークに役立つ内容となっている。
技術に向き合い、揺るぎない自信を
MINXでは、この4カテゴリーのレッスンをクリアした上でスタイリストデビューするが、その後も定期的に技術の再点検をするという。
「美容師が、移り変わりの激しいヘアトレンドをけん引していくには、確かな技術に裏打ちされた、揺るぎない自信を持つことが必要。その自信の源となるのが、丁寧に技術に向き合い、できなかったことをできるようにしてきた、それまでの道のりに他ならないのです」(あとがきより)
この本には、繰り返し読みこみ、繰り返しレッスンを行い、ひとつひとつの要素に対する理解度を高めることで、確かな技術と自信をつけてほしいという土屋氏の願いが込められている。
土屋サトル
つちや・さとる/長野県出身、長野理容美容専門学校卒業。1998年に『MINX』入社。現在は取締役・銀座店ディレクターを務める。Asia Beauty Academy(ABA)理事・教育委員長。グローバルスタンダードのカット技術を誇り、世界6カ国でセミナー講師を務め、その動員数は延べ1万人を超える。
■ 記事・画像提供
女性モード社
美容師向け出版物を発行して60年。『ヘアモード』『美容の経営プラン』『美容界』などの月刊誌や各種書籍を発行する美容専門出版社。
➡ 定期購読/月刊 『HAIRMODE』(電子版『ヘアモードデジタル』 付き)
➡ 定期購読/月刊 『美容の経営PLAN』
➡ 定額読み放題プラン(電子書籍)