日本ロレアルは、「ロレアル パリ」のメイクアップ事業およびネイルブランド「エッシー」(essie)の日本撤退を発表した。2021年12月末をもって、日本での販売を終了する。
日本上陸50余年のセルフ化粧品ブランド
世界150カ国で36のグローバルブランドを展開する、世界最大の化粧品メーカーであるロレアル。その中でも、社名を冠する「ロレアル パリ」は、1909年発売のヘアカラー剤に端を発する、ロレアルの歴史と共にあるブランドだ。
「ロレアル パリ」の日本上陸は1969年。現在ではヘアケア、ヘアカラー、メイクアップのカテゴリーを擁する「トータル ビューティーブランド」として、世界100カ国以上で展開されている。
一方、「エッシー」は、1981年誕生の米国のネイルブランドで、ロレアルが買収した後、2014年より日本での販売をスタート。「ロレアル パリ」「エッシー」ともに、ドラッグストアやバラエティーショップなどでセルフ化粧品として流通している。
コロナ禍で市場変化、メイクとネイル撤退
歴史あるブランドではあるが、コロナ禍で外出する機会が減っていることなどから、市場環境や消費トレンドが大きく変化。
「限られた経営資源をより一層集中させることが必要」(日本ロレアル)と判断し、「ロレアル パリ」のメイクアップ事業およびネイルブランド「エッシー」について、年内で販売を終了することを決めた。
ヘアケア・ヘアカラーは好調、事業を継続
メイクやネイルの需要が縮小する反面、コロナ禍の巣ごもり生活で、自宅で髪を染めたりヘアケアをしたりという需要は拡大している。
「ロレアル パリ」のヘアケア・ヘアカラー事業についても「市場変化による機会を捉えることができ、ロレアル パリのヘアケア・ヘアカラーカテゴリーを成長軌道に乗せることができた」という。
「ロレアル パリ」はヘアケアの「エルセーヴ」(ELSEVE)、白髪染め「エクセランス」(EXCELLENCE)、ファッションカラー「フェリア」(FeRia)などを展開しているが、これらヘアケア・ヘアカラー事業については、販売を継続する。
デジタルを最大限活用した新たなマーケティング展開、高品質の商品やサービス、イノベーションの提供を加速し、「全ての投資と経営資源を集中させ、事業展開を拡大していく」考えだ。