新型コロナの影響で成人式を中止する自治体が相次いでいるが、美容室や写真館にはどのような影響が出ているのか。
店舗の口コミ・ランキングサイト「エキテン」を運営する株式会社デザインワン・ジャパンの調査・研究開発部門「エキテン総研」は、全国の美容室・ヘアサロン、写真館・フォトスタジオを営む320店舗を対象に「2021年成人の日に関する動向調査」を実施した。
目次
「成人の日」当日の予約状況 「昨年より減った」が3割強
美容室と写真館を合わせた全体で見ると、31.6%の店舗が、成人の日の予約状況は「昨年より減った」と答えた。また、式典を延期するのか中止なのかオンラインで開催するかなど、自治体の方針が未定の部分も多く、「わからない」と回答した店舗も35.6%だった。
美容室の予約状況 「例年通り」が3割弱
美容室・ヘアサロンは「例年通り」と回答した店舗が29.4%。それよりは少ないものの「例年より減った」も26.8%と4分の1以上を占め、「札幌市は成人式を中止にしたため、全てキャンセルになった」(北海道/ヘアサロン)など、コロナ禍の影響を受けたサロンの声も寄せられた。
「昨年より増えた」店舗も4.0%とわずかながらあったが、複数の店舗がその理由として「コロナ禍で、着付けのサービスをやめた他店舗が多いから」と回答している。
なお、アンケートを実施した12月4日~7日の時点では「わからない」とする店舗が4割近くを占めた。自治体の方針が定まらず、着付けやヘアセットなど、予約の見通しが立たない店舗が多いようだ。
写真館の予約状況 「例年より減った」が6割弱
写真館・フォトスタジオでは、「例年通り」と回答した店舗は27.1%にとどまり、「昨年より減った」と回答した店舗が約6割を占めるほど、影響が大きい。
新型コロナウイルス感染症の第3波と言われる中、年明けの帰省を控えたり、写真館での家族との記念撮影を控えたりする新成人が多いことが推測される。
成人式前後の予約は大幅減
コロナ禍の密を避けるため成人の日当日ではなく前後の日程に予約が分散することも予想し、1月11日前後の予約状況についても設問に入れたが、全体の6割以上の店舗が「昨年より減った」と回答。
2021年の成人式関連の予約は、前後の日程も含めて減少傾向にあるようだ。
予約数減少の要因はやはりコロナ禍
昨年より予約数が減ったと回答した店舗に理由を尋ねたところ、「コロナ禍で成人式への参加を控えている人が多い」と回答した店舗が最も多かった。
地域の新成人が一堂に会し、式典で自治体の首長や著名人の話しを聞いたり、会場で久しぶりに会う同級生と近況報告し合ったり、式典のあとに同窓会を開催したりなど、人と接する機会が多くなるため、コロナ禍での成人式は、やはり参加を控える傾向がうかがえる。
コロナ禍に「特別メニュー」で対応するサロンも
アンケートのフリーコメントでは
「感染拡大地域から帰省した方の来店を控えてほしい」(福島県/ヘアサロン)
などの声が上がる一方で
「成人式は元々、行われないと思っていたので、写真だけでも残していただこうと思い、着付けに必要な物も全て揃えた(振袖のセット)を数セット用意して、写真スタジオと提携し、成人式のお写真を残せるような『特別メニュー』を作りました」(北海道/ヘアサロン)
と、コロナ禍で成人式が中止になるからこその対応施策を用意するサロンも見られたほか、
「もし成人式が行われず、予約がキャンセルとなっても、キャンセル料は取らないようにします」(東京都/ヘアサロン)
との声も寄せられた。前例のない事態に、それぞれのサロンが方針を考え対策を取っているようだ。
■調査概要
調査時期:2020年12月4日~2020年12月7日
調査方法:インターネット調査
※グラフ内の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にならない場合があります