フジテレビの隠蔽体質が露呈 宮原健太の週刊タイパニュース(66)

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フジテレビの隠蔽体質が露呈 宮原健太の週刊タイパニュース(66)

中居正広氏の女性トラブルをきっかけに危機的な事態に陥ったフジテレビ

問題が大きくなった背景には、トラブルを隠蔽、矮小化しようとした会社の体質がありました。

今回の「週刊タイパニュース」では、中居正広&フジテレビ問題についてさらに解説していきます。

フジテレビのCMが次々とACに

こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。

スポンサーが撤退して、CMの多くがAC(公共広告)に切り替わるなど、多大な影響が生じているフジテレビ

前回は、中居正広氏の女性トラブルが、フジテレビ幹部による女性上納疑惑として拡大していったことについて解説しました。

ただ、ここまで問題が大きくなった背景には、企業体質を巡る別の問題もあったのです。

トラブルへの対応段階から過ち

フジテレビは今回の問題について、対応段階から過ちを犯していました。

中居氏から意に沿わない性的行為を強要されたX子さんですが、トラブルについては被害直後にフジテレビの上司などに相談していました。

最終的には港浩一社長(すでに辞任)にまで問題が伝わる事態になったのですが、フジテレビは中居氏に調査せず、出演番組はそのまま継続、しかも、社内問題を扱うコンプライアンス推進室にも情報を共有しなかったのです。

港社長はこのことについて、記者会見で「被害女性のプライバシーを守るため、少人数で対応にあたった」と釈明していますが、その結果、女性の思いが踏みにじられていたとしたら、元も子もありません。

2回開くことになった記者会見

さらに、フジテレビは今回の問題が発覚したあとに2回、記者会見を開いていますが、1回目の会見(1/17)は記者クラブの記者のみに限定し、テレビカメラによる中継や映像は一切認めませんでした。

これも「女性のプライバシー保護を優先した結果」だと説明していますが、問題の矮小化や隠蔽の意図があったと疑われても仕方ありません。

結局、2回目の記者会見(1/27)を開くことになり、そこにはフリージャーナリストも全て受け入れ、会見時間は10時間超となりました。

フジテレビのトラブルに対する矮小化、隠蔽体質が問題を大きくしていった

あまりにも問題な企業体質

このように、女性の相談に対しても、問題発覚後の会見についても、フジテレビには問題を隠そうとする企業体質が見て取れます。

そうした中で、スポンサーはCMの出稿を停止し、フジテレビは未曽有の危機的状況となっているのです。

さて、こうした事態を経て、フジテレビは今後どうなっていくのでしょうか。

次回はフジテレビのこれからの動きについて解説します。

ぜひ、お楽しみに!

宮原健太(フリージャーナリスト・記者YouTuber)

宮原 健太

ジャーナリスト、YouTuber

1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。​

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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)

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