トランプ前大統領が再選を果たしたアメリカ大統領選。
その結果を左右したのは激戦州の戦いだったと言われています。
今回の「週刊タイパニュース」では、アメリカの政治情勢についてさらに解説します。
激戦州を制した者が大統領選を制する
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
前回はアメリカ大統領選について、政策面から解説しました。
ただ、その大統領選の結果を左右したのは、いわゆる激戦州における戦いをトランプ氏が制したからだと言われています。
今回はアメリカの各地域の視点から大統領選を分析します。
アメリカの州は大きく3つに分かれる
そもそも、アメリカ大統領選は州ごとの選挙人を獲得するという仕組みを取っており、どの州をどちらの候補が制したかが非常に重要となります。
そして、アメリカには、いつも民主党候補が勝つ州と、共和党候補が勝つ州があります。
民主党が強い州を、党のイメージカラーから「ブルーステート」、共和党が強い州を「レッドステート」と呼び、大統領選ごとに民主党と共和党の支持が入れ替わる州を「スイングステート」といいます。
都市部はリベラル、農村部は保守
例えば、金融の中心地として知られているウォール街があるニューヨーク州はブルーステート、西部劇の舞台になるテキサス州はレッドステートです。
基本的に、海岸沿いの都市部はリベラルな民主党が強く、内陸の農村部は保守的な共和党が強い傾向にあります。
これらの州は固定票になっているため結果を左右することはなく、選挙によって動向が変わる激戦州、スイングステートこそが鍵を握っているのです。
激戦州とは一体どこなのか?
このスイングステート、具体的にはアメリカ中西部と呼ばれる五大湖周辺が該当します。
特にペンシルベニア州やミシガン州、ウィスコンシン州が激戦州として注目されていました。
これらの州はかつて五大湖の水運を利用して工業地帯として栄えたのですが、安い人件費を求めて工場が海外に移転する中、衰退が進み「ラストベルト(錆びた工業地帯)」と言われるようになってしまいました。
栄えていた頃は民主党が強かったのですが、労働者の不満がたまる中で共和党支持者が増え、今回の大統領選では全てをトランプ氏が制する結果となっています。
こうした地域情勢がトランプ氏を誕生させたと言えるのです。
次回はトランプ氏が日本に与える影響について解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)