いよいよ10月27日に衆院選が投開票されます。
ただ、選挙公約はどの政党も同じようなことを言っているように見えて、良し悪しが分かりにくいですよね。
今回の「週刊タイパニュース」では、与野党の選挙公約について解説します。
政治の行方を左右する衆院選
こんにちは!ジャーナリストでVTuberとしても活動している宮原健太です。
衆院選が10月27日に投開票され、その結果によって政治が大きく左右されます。
まさに私たちの投票行動が政治を動かす、民主主義の原点であるわけですが、いざ投票となると、各党が同じことを言っているように見えて、選びにくいですよね。
今回はそんな選挙公約の読み解き方について説明していきます。
裏金問題に関する政策の違いは?
まず、今回の選挙で注目されている裏金問題や「政治とカネ」に関する政策です。
裏金問題とは「政治資金、裏金とは何か?」から解説してきたように、政治に使うお金の記録がきちんとつけられず、何に使ったか分からない状態になっていたことでした。
そのため、政治資金の透明化について各党が政策を掲げています。
現在、使い道を公開しなくてよい政策活動費というものがあるのですが、これは野党などが廃止を掲げています。
一方で、自民党は「将来的な廃止も念頭に」と回りくどい表現をしており、本当に廃止するのか分かりにくいところがあります。
また、癒着の温床とも言われてきた企業団体献金について、自民は透明性を高めれば問題ないとしていますが、立憲などの野党は廃止を訴えています。
分かりにくい経済政策の読み解き方
そして、多くの人たちの興味関心が高い一方で、違いが分かりにくいのが経済政策かと思います。
正直、どこの政党も「賃金を上げる」「物価高に対応する」などと似たようなことを述べており、一見すると同じように見えてしまいます。
ただ、各政党がどんな団体に支えられているかに注目すると少しずつ違いが見えてきます。
自民党は経団連という大企業の集まりに応援されているため、経営者目線の政策を重視しています。
一方で立憲民主党や国民民主党は連合という労働組合によって支えられているため、労働者目線の政策に軸足があります。
経営者目線と労働者目線の違いも分かりにくいかもしれませんが、例えば富裕層への課税強化が議論になる場合、富裕層は経営者に多いため、自民は慎重、立憲は積極的な立場となります。
ただ、立憲民主党は公務員の労働組合が主で、国民民主党は民間企業の労働組合が主であるため、立憲よりも国民民主のほうが企業経営サイドに立っていると言われます。
また、日本維新の会は「身を切る改革」を掲げていることから分かる通り、無駄をなくすことに軸足があり、共産党はその名の通り最終目標を共産主義の社会の実現としています。
そして、消費税廃止を看板に掲げるれいわ新選組などの少数政党もあるのです。
各政党の背景を知ると分かりやすい
選挙公約に並んでいる政策をそのまま眺めても違いが分かりにくいですが、各政党の背景や成り立ちにも注目すると、どこに重点を置いているのかが理解できるはずです。
選挙に行って投票をするのは、私たち国民の大切な権利のひとつです。
ぜひ今日の記事を参考にして、どの候補者、どの政党に投票するかを選んでみてください。
次回は衆院選の結果を受けた政治の動向について解説します。
ぜひ、お楽しみに!
宮原 健太
ジャーナリスト、YouTuber
1992年生まれ。2015年に東京大学文学部を卒業し、毎日新聞社に入社。宮崎、福岡でさまざまな事件、事故、災害現場の報道に携わった後、東京政治部で官邸や国会、政党や省庁などを取材。自民党の安倍晋三首相や立憲民主党の枝野幸男代表の番記者などを務めた。2023年に独立してフリーで活動を開始。文春や集英社、PRESIDENT Onlineや現代ビジネスなど様々な媒体に記事を寄稿している。YouTubeチャンネル「記者VTuberブンヤ新太」ではバーチャルYouTuberとしても活動しており、日々のニュースを分かりやすく解説している。
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編集/大徳明子 文・図表/宮原健太(ジャーナリスト)