SCAT(スキャット)の2024年10月期第2四半期決算(2023年11月~2024年4月)は、売上高が前年同期比1.2%増の13億7800万円だった。
POSシステムが好調で売上は伸びたが、介護サービスのコスト増が響いた結果、本業のもうけを示す営業利益は0.6%減の1億2300万円にとどまった。
SCAT2024年10月期第2四半期決算
2024年10月期第2四半期決算(2023年11月1日~2024年4月30日)※連結
売上高
13億7800万円(前年同期比1.2%増)
営業利益
1億2300万円(同0.6%減)
経常利益
1億2900万円(同2.3%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益
8500万円(同10.9%減)
※包括利益 8800万円(同10.0%減)
セグメント別の業績概要
美容ICT(情報通信技術)事業※は、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正への対応で需要が増加。ビジネスサービス事業も、新規取引先が増加して月次の売上が着実に伸びている。
一方、介護サービス事業は、コロナ禍で入居スピードが鈍化したうえ、食材などの物価上昇や介護スタッフの人件費増加により、前年同期に比べて6割も利益が減少した。
セグメント | 売上高 (百万円) | セグメント利益 (百万円) |
美容ICT | 839 (2.2%増) | 87 (2.8%減) |
ビジネスサービス | 170 (3.2%増) | 23 (121.4%増) |
介護サービス | 359 (1.9%減) | 7 (61.7%減) |
※ICT=Information(情報) and Communication(通信) Technology(技術)
下期の主なトピックス
SCATの下期(2024年5~10月)の主な取り組みは、次の通り。
〇 資本業務提携をしているエム・エイチ・グループ(美容室「モッズ・ヘア」の運営企業)との関係を強化。請求書サービスの販売促進に伴うBtoBクレジット決済、美容ディーラー販売管理システムの連携を始めた。
SCATとエム・エイチ・グループの関係
2017年5月 エム・エイチ・グループの100%子会社であるライトスタッフとSCATが業務提携
2021年2月 SCATとエム・エイチ・グループが資本業務提携
2021年3月 資本業務提携に伴う株式の持ち合いを実施
2024年5月 SCATとエム・エイチ・グループの追加の株式持ち合いを決定 NEW
2024年6月 追加の株式持ち合いを実施 NEW
〇 タブレット1台で予約管理と会計ができる小規模サロン向けのPOSシステム 「salon tablet(サロンタブレット)」を5月1日にリリースした。
〇 5月に開催されたビューティーワールド ジャパン(BWJ)にブースを出展し、認知度アップに努めた。
〇 受注から集金までの業務をスマートフォンで完結する「スマホターミナル」を、美容ディーラー向けに6月1日にリリースした。
〇 美容業界のワンストップ・ソリューションを提供していく。
〇 ビジネスサービス事業については、バックヤード業務のサポートを拡充していく。
〇 介護サービス事業については、コロナ禍の影響は底を打ったと見て、介護付き有料⽼人ホームの運営を強化していく。
2026年度に30億円目指す
SCATにとって上場10年目の節目の年となる2026年度を最終年度とする、3カ年の中期経営計画が今期よりスタートした。
連結で売上高30億円、経常利益3億円、経常利益率10%、ROE(自己資本利益率)8%、PBR(株価純資産倍率)1倍を目指す。
企業理念である「ICTの提供による中小企業支援を通じた社会貢献」の実現に向け、イベント系コア事業の拡大やストック系コア事業の深化を図る。
通期の業績予想
2024年10月期(2023年11月1日~2024年10月31日)※連結
通期の業績予想について、修正はない。
売上高
28億400万円(前年同期比2.3%増)
営業利益
2億4300万円(同6.8%増)
経常利益
2億4300万円(同5.4%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
1億6000万円(同1.6%増)
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文/大徳明子