ビュートピア読者アンケート「美容室は消費増税で値上げをするべき? 価格表示はどうする?」へのご協力、誠にありがとうございました。結果発表第2弾は、値上げの有無と実施時期、その理由についてです。
10月から値上げするサロンが4割、値上げしないが3割強
消費増税はもう目前。他のサロンは値上げするのかしないのか、皆さま、気になるところかと思います。
ビュートピア読者アンケートの結果は次のようになりました。
値上げの有無と実施時期 | (%) |
すでに値上げした | 5.7 |
消費増税前に値上げする予定 | 2.5 |
10月から値上げする予定 | 41.0 |
11月以降に値上げする予定 | 2.5 |
値上げするかどうか、まだ決めていない | 12.3 |
値上げはしない | 34.4 |
値下げをする | 1.6 |
「10月から値上げする予定」が最も多く、4割強を占めました。続いて「値上げはしない」が34.4%。
「値上げをするかどうか、まだ決めていない」サロンも12.3%あり、悩ましい問題であることがうかがえます。
グラフで表示すると次のようになります。
値上げの理由は「値上げしやすいタイミングだから」が約半数
値上げを行った・予定しているというサロンの方へ、その理由を4択(複数回答OK)と自由記述式(フリー回答)でうかがった結果は次の通りです。
値上げする理由(複数回答) | (%) |
値上げしやすいタイミングだから | 47.6 |
物価の上昇を見越して吸収できるようにしておくため | 39.7 |
今の価格では限界だから | 30.2 |
税込み表示にしているので消費増税分だけ値上げする | 27.0 |
フリー回答 | (人) |
人件費が上がるから | 2 |
労働賃金や法人税、消費税など税金も今後上がるかもしれないから | 1 |
増税を見越して、消費力が低下する分、価値がある技術商品を洗い流して見直して値上げした | 1 |
値段は価値が無いのに上げることは出来ない。価値があるから値上げが出来る。同じ内容だとしても工夫で価値をどう付けるかが大事 | 1 |
「値上げしやすいタイミングだから」が約半数、「物価の上昇を見越して吸収できるようにしておくため」が約4割に上りました。「今の価格では限界だから」は3割強、「税込み表示にしているので消費増税分だけ値上げする」は3割弱でした。
フリー回答では「人件費が上がるから」との回答が2件ありました。厚生労働省が2019年10月に予定している最低賃金引き上げによって、東京都や神奈川県は初の1,000円超えになることが確実視されています。これを受けて「都内です。最低賃金が1000円超えに。いま値上げしないと厳しい」とのコメントが寄せられました。
また「すでに値上げした」という方から「値段は価値が無いのに上げることは出来ない。価値があるから値上げが出来る。同じ内容だとしても工夫で価値をどう付けるかが大事」との提言がありました。
値上げしない理由は「必要ないから」が約半数
値上げをしない・値下げするというサロンの方へ、その理由を3択(複数回答OK)と自由記述式(フリー回答)でうかがった結果は次の通りです。
値上げしない理由 | (%) |
値上げする必要がないから | 47.5 |
お客さまに負担をかけたくないから | 30 |
客離れが心配だから | 30 |
フリー回答 | (人) |
切りのいい料金設定にしているため変えたくない | 2 |
税率変更と料金は別問題だから | 1 |
戦略として | 1 |
「値上げする必要がないから」が約半数を占めてトップ。「お客さまに負担をかけたくないから」「客離れが心配だから」が同数で3割でした。
低価格サロンの台頭で価格競争が問題となっている美容業界ですが、余裕のある価格設定をしているサロンも多いようです。
フリー回答では「切りのいい料金設定にしているため変えたくない」との回答が2件ありました。具体的には「カットとスパなどを組み合わせたコースで税込一万円と切りをよくしている」「切りよく、明朗会計にしている」そうです。
また「税率変更と料金は別問題だから」と、お客さまからいただく料金は施術・サービスの対価であって消費増税は関係ないという意見、「戦略として」との回答もいただきました。
最後に・・・自由回答と回答者属性
今回のアンケートは、2019年8月23日~9月14日の期間、ビュートピアサイト上で実施、122名の方にご回答いただきました。ご協力、誠にありがとうございました。
回答者属性は、美容師(経営者)69.7%、美容師(従業員)6.6%、美容師(フリーランス)6.6%、美容師(その他)4.1%、その他(13.1%)。その他の内訳は、理容師、セラピスト、美容業界関係者、経営者、会社員です。
最後に、「ご自由にご記入ください」との項目へいただいたご意見をご紹介します。
「値上げはできればしたいですが失客が心配です」「値上げはできればそれに越したことはないが、いくら上げたらお客が離れるかの見極めが難しい」と、値上げによる失客を心配する声がありました。
また「ヘアサロンは税抜表示、ホワイトニングサロンは税込表示にしています。どちらも値上げはしない予定」とのご意見も。理由は書かれていませんでしたが、ホワイトニングサロンよりもヘアサロンの方が価格競争の激しい環境だからでしょうか。
「いくら値上げするか検討中。他のサロンはどうやって決めているのか?」「1000円台の低料金の今後の展望を知りたい」との疑問もいただきました。物価や人件費が上昇する中、低価格サロンがどのように対応していくのかはビュートピア編集部でも注視していきたいと思います。
「(消費税の)増税は、これで2度目です。前回の影響、消費力の低下、その後の動きなどからの分析から、行動しています。美容業界くらいではないでしょうか、増税前に商品キャンペーンをしないのは。今さら増税の影響で値上がりする論拠とか、ましてや興味すらないなんて、経営、経済に興味すらないのでしょうか?」と辛口の意見も寄せられました。駆け込みキャンペーンを実施中のサロンも、キャンペーンは一切しないことが価値になるという考えのサロンももちろんありますが、ご紹介まで。
編集部としては、前回の増税時の対応をまとめて今回の参考にしたかったのですが、データ不足でした。小規模店の多い業界は統計が取りづらいと言われますが、微力ながら今回のようなアンケートを積み重ねて、業界に還元できるデータベースをつくっていきたいと思っております。道のりは長いですが、今後も定期的にアンケートを企画していきますので、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
⇒結果発表第1弾「美容室のメニューは税込み?税抜き? 消費税増税で価格表示はどう変わる?」はこちら
※現在、10月31日「天才の日」記念アンケートを実施中です。あなたにとっての「天才美容師」(クリエイティブ、経営)をお聞かせください。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。