毎年11月19日は「国際男性デー」という記念日が制定されています。男性の健康に目を向け、ジェンダー平等を促すことを趣旨としたものです。
美容ケアにおける男女の実施差にも変化があります。20年ほど前であれば、男性が洗面所に化粧水を置いていること自体が珍しかったですが、ここ数年で、男性の美容ケアはごくごく当たり前になってきています。
この機会に「男だから〇〇であるべき」「男なら〇〇しなければ」といったジェンダーバイアスに対する、美容の変化を探ってみましょう。ホットペッパービューティーアカデミーが2023年11月14日に発表した「男性の美容ケアに関する意識調査」をご紹介します。
文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
目次
①男性のスキンケアの実施率は?
男性の美容ケアで実施率がもっとも高いのは「スキンケア」。
男性全体で35.9%と4割近くに達します。年代別にみると15~19歳男性の実施率が45.0%と最も高いスコアに。Z世代の男性にとってはスキンケアが日常化していると言えるでしょう。
今年の夏は、日焼け止めを塗る甲子園球児が話題になりましたが、「高校球児は、真っ黒に日焼けしている」といった固定概念は多くの人にあったのではないでしょうか。15~19歳はZ世代にあたりますが、彼らの積極的なスキンケアの実施は、まさにジェンダーバイアスを打ち破るものでした。
②男性で眉毛を整えているのは?
今度は「眉毛を整える」について、実施率を見てみましょう。
15~19歳から40代まで実施率は2割を超えています。眉は顔の印象を大きく変えるパーツ。20代から40代のビジネスパーソンの多い世代に、眉毛ケアの実施率が高めであることから、仕事場での身だしなみとしてとらえている人も多そうです。
最近は眉のムダ毛を処理するだけではなく、サロンでデザイン性の高い眉をオーダーする男性も増えてきています。
③男性が美容ケアを始めたきっかけは?
次に、男性が美容ケアを始めたきっかけについてデータを見ていきましょう。男性全体と、15~19歳とを抜粋して比較しています。
男性全体の1位には「身近にやっている人が増えたから」がランクイン。年代別に見ても30代以上は1位を獲得しています。ミドル男性の美容ケアは「自分だけやっているのは恥ずかしい」「周りがやっているならば、美容ケアは必要なのだろう」といった意識があるのかもしれません。一方で15~19歳の1位は「親や家族に勧められて」でした(20代の1位も同様に「親や家族に勧められて」です)。
先ほどの高校球児もインタビューで「日焼けはやけどなので」や「母親から日焼け止めを塗るように言われていた」と答えていましたが、今は赤ちゃんの頃から日焼け止めをしっかり塗る保護者が多く、親が子供に美容ケアをごく当たり前に伝えている(教えている)ケースも多くなっています。