恋愛リアリティー番組「バチェラー・ジャパン」シーズン4に参加し、話題を集めた元人気サロンモデルでインフルエンサーの藤原望未さん。プロデュースする美容室「Ms.CHARM(ミズチャーム)」を2022年8月、北青山にオープンしました。
Ms.CHARMのスタイリストは、藤原さん自らがほれ込み、声をかけた精鋭ぞろい。その代表には、青山エリアの名門サロン出身の山本辰実さんが就任しました。
また、オーナーとして経営面を支えるのが、元エイベックスの起業家・堀毛太一さんです。
Ms.CHARMの構想や戦略、その反響について、サロンの核となる3人に話を聞きました。
目次
①リスペクトする美容師さんの働き方変えたい
── 2021年11月配信の「バチェラー・ジャパン」シーズン4に参加して話題を集めた藤原さんですが、日頃はタレントや鍼灸師として活躍されています。美容室をプロデュースすることになった経緯を教えてください。
藤原 オーナーである堀毛さんに「プロデューサーとして一緒にやりませんか?」とお声がけいただいたのが最初でした。
── 堀毛さんは、どうして藤原さんに声をかけたのでしょうか?
堀毛 Ms.CHARMオープンの1年半ほど前に、北青山にメンズサロンの「REEED(リード)」をオープンしたのですが、ありがたいことに多くのお客さまからご支持をいただき、弊社グループとして次の展開を模索していました。そんな時に、当時サロンモデルとして活躍していた藤原さんをバチェラー・ジャパンで拝見しました。
藤原さんとなら、個人の影響力がブランドの核となるような、現代のスタイルに合ったまったく新しい美容室をつくれるのではないかと考えたんです。
── 藤原さんが堀毛さんの誘いを受けた決め手はなんだったのでしょうか?
藤原 私自身、同じサービス業である鍼灸師として働いていることが大きいです。サービス業には、拘束時間の長さや給与水準の低さなど、ブラックな部分があると感じています。
サロンモデルとして活動する中でも、心身ともにぼろぼろになってしまい辞めていってしまう美容師さんが多いという状況も耳にしてきました。リスペクトする美容師さんの働き方を変えていきたいと思ったことが、美容室をプロデュースしてみようと思った理由のひとつです。
②髪型が変わると人生が変わる
── 藤原さんにとって美容師さんはそれほど大きな存在なんですね。サロンモデルとしての活動はいつから始めたのですか?
藤原 2018年から2021年まで3年ほど活動していました。今はMs.CHARMの専属プロデューサーなので、月に7回くらいここで施術してもらっています。
── 美容への関心は、ずっと高かったのですか?
藤原 可愛い人を見るのがすごく好きで、自分自身も「可愛くなりたい」という思いはずっとあったのですが、大学までずっと本格的にバドミントンをしていたんです。日本体育大学での4年間は、ほぼ美容室にも行かず、メイクもしていませんでした。
美容に力を入れるようになったのは、ここ数年ですね。
── それはかなり意外でした!
藤原 大学時代はスクワットで70kgあげたりしてましたよ(笑)
私自身、ちょっと見た目を変えるだけで人生がいろいろ変わるっていうのを実感できたのは良かったです。
たとえば、以前の私のように美容にあまりお金をかけない人も結構いると思いますが、少し自分に投資するだけで変わるということを、説得力を持って伝えることができます。
── 大学卒業後、鍼(はり)の道へ進んだきっかけはなんだったのでしょうか?
藤原 大学では野球部のトレーナーもしていたのですが、スポーツトレーナーとしての仕事の幅を広げるために、国家資格を取ろうと思ったんです。
現在は美容鍼灸をメインにやっています。
── 美容室のプロデュースをしながら、鍼灸師としても活動しているんですよね。
藤原 そうですね。実はSNSのDMなどで「美容室のプロデュースとかして、鍼灸師はやってないんだろう?」といったメッセージが結構くるんです。
鍼灸師と名乗るんだったらそれしかやっちゃいけない、みたいな固定観念があるんだと思います。
でも私は鍼灸師だけど、その前に1人の人間です。鍼灸師も美容室のプロデュースもやりたいからやっています。
固定観念をなくしていきたいですね。自分がやりたいと思ったことは、なんでもやっていいんだよっていうのも伝えていきたいです。
── Ms.CHARMのブランドスローガンは「あなたらしく、美しく生きる。」ですね。どんな想いを込めましたか?
藤原 Ms.CHARMは女性向けのサロンです。女性は外見が美しくなると、自信が湧いてきます。すると中身も明るくなり、仕事もプライベートもうまくいく、という好循環があると思っているんですね。
美容室は髪形という外見の部分を美しく変えてくれて、自信をつけてくれる場所です。また、その「美しさ」とは、人それぞれが必ず持っている魅力的な部分を引き出すことで生まれるものだと思っています。
その人が持つ魅力を最大限に引き出す場所。Ms.CHARMは、そういう存在でありたいです。
③インフルエンサーの発信力生かす
── バチェラー・ジャパンに参加してInstagramのフォロワーが一時10万人を超えたとお聞きしました。Ms.CHARMも、藤原さんのInstagramでの発信力が武器になりますね。
藤原 そうですね。バチェラー・ジャパンの配信後、Instagramのフォロワーが増えました。
多くの方から認知されるようになり、発信力が増したのを感じます。私がMs.CHARMの美容師さんについて発信することで、その人の得意な技術や魅力的な人柄を、多くの方に知ってもらえます。
「どの美容室・美容師が良いのかわからない」という女性は多いと思います。私から「この美容師さん、すごいよ」と発信することで、お客さまと美容師さん双方の役に立てるのではないかと思っています。
── たくさんの美容師を知る藤原さんが、山本さんをMs.CHARMの代表に抜擢した理由はなんですか?
藤原 オープンの1年くらい前、まだバチェラーの配信が始まる前に、Instagramで山本さんから「サロンモデルをお願いできますか?」とお声がけいただいたことがきっかけで出会いました。そのときは、雑誌『美的』の撮影でした。
それから定期的に、カット・カラーをお願いするようになったんです。
それまで何十人と美容師さんにカット・カラーをしてもらっていたのですが、山本さんの技術はすごく私に「はまった」感じがありました。
── 山本さん含めサロンのスタッフは、藤原さん自ら声をかけているそうですね。
藤原 はい。私から直接お声がけなどもしています。興味を持ってくださった方とは実際にお話させていただいていますね。
自分がプロデュースする美容室である以上、お客さまに自信を持っておすすめできる、技術的にも人格的にも尊敬できる美容師さんとご一緒したいと考えています。 私が心から素敵だと思った方、技術を信頼できる方、そして新しい形の美容室にワクワクを感じてくれる方とお仕事ができたら幸せです。
── 改めて、代表を務める山本さんのご経歴を教えてください。
山本 これまで都内の3店舗で働いてきて、美容師歴は10年目になります。
20年以上の歴史を持つ前サロンでは、スタイリストに昇格後、1年以内にトップスタイリストになり、その翌年にはサロン史上最速で副店長となりました。
── 山本さんが、美容師として大事にしていることはなんですか?
山本 サロンに来たお客さまに綺麗になってもらうのは当たり前ですが、お客さまに寄り添い、今後のライフスタイルも考えた上で、提案や施術することが大事だと感じています。
そういったことも踏まえて、Ms.CHARMでは「前髪の1カ月メンテナンス無料サービス」というのがあります。お客さまには「10分ほどで切れるので、ふらっと寄ってください」と伝えています。
── 堀毛さんから見た山本さんは、どんな存在ですか?
堀毛 山本は技術が高いだけではなく、人当たりがよく、お客さまやステークホルダーに対してのコミュニケーションにおいてもしっかりとしていますね。
人を教育して引っ張ってきた経験もあるので、そこも代表を任せる上でとても重要なポイントでした。
── 昨年8月にサロンがオープンしてからの反響は、いかがでしょうか?
山本 「藤原さんと同じショートにしたい」という問い合わせが、多く来ていますね。そういった新規のお客さまは、月20人以上いらっしゃっています。
前サロン在籍時の藤原さんがバチェラー・ジャパンに出ていたタイミングでは、「藤原さんを見て」とおっしゃって、月80人くらいの方が来店していました。自分個人の力だけでは集められないほどの影響力を、いまも感じています。