睡眠の質に着目した乳酸菌飲料が“爆売れ”する現代社会。
そのストレス社会で近年注目を集めているのが、健康維持・増進のサポートに加えリラックス効果も期待できる「CBD(カンナビジオール)」で、美容サロンでもCBDオイルなどの店販が増えつつある。
矢野経済研究所は、CBD製品の国内市場規模は2023年に476億円6700万円に達するとの予測を示した。
2022年に260億円、23年に476億円か
矢野経済研究所が2022年8月に発表した「日本のCBD製品市場に関する調査」によると、CBD製品の国内市場規模は、2021年に前年比185.9%の185億4100万円と大きく拡大した。
この伸長傾向は今後も続き、2022年市場は同139.9%の259億3600万円と見込む。さらに2023年は476億6700万円、2024年は648億2700万円、2025年は829億7900万円と急激な成長を予測している。
コロナ禍で健康への関心高まる
CBDとは、大麻草に含まれる成分「カンナビジオール」の略称で、リラックス効果や集中力を高める効果があると言われている。
2013年頃から欧米を中心に急速に知名度が上がり、多数のCBD製品が市場に流通。日本では、2019年頃から百貨店や商業施設でCBD製品のポップアップショップが開催されるようになり、エステティックサロンや美容室での取り扱いも増加している。
特に、2020年は新型コロナウイルスの流行によって、人々の健康への関心が高まった。健康維持・増進や精神的な安定を求めている人がCBD製品を使用するようになり、急激に市場が拡大したと考えられる。
CBD製品の規制緩和や法改正の動きも
これまでは、規制が厳しい日本で、国産の麻を使用したCBD製品の製造はほぼ不可能だった。
しかし、2022年9月に、厚生労働省の「大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会」で、CBD製品の規制を緩和する案を盛り込んだ報告書がまとめられるなど、法改正への動きが見られる。
環境が整えば、大手企業の参入も予想される。食品、飲料、化粧品などの大手企業の参入が活発化すれば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどでCBD製品が販売される日も遠い先のことではないかもしれない。
美のトレンドを生み出すサロンの店販や施術メニューは時代を一歩、半歩先取りしたものが欲しいところ。認知が広がるほど売りやすくはなるが競合も増える。コモディティ化する前の段階にあるCBD製品を扱うなら今なのか、まだ早いのか、あるいは市場の期待に応えられず失速するのか。経営のかじ取りとトレンドへのアンテナが試される。
編集/大徳明子、杉野碧 文/暁かえで