アットコスメ会員による1年間の口コミや注目度をもとに選出される「アットコスメ ベストコスメアワード」。
2021年11月~2022年10月の期間に投稿された口コミ評価などを集計した2022年の総合大賞には、カネボウ化粧品の「ケイト リップモンスター」が輝いた。
マスクにつきにくい、色落ちしにくいという「機能性」と「使用感・品質の良さ」でコロナ禍のユーザーの心をつかみ、売り切れの続く「希少性」、それでいて身近なドラッグストアで買える「利便性」、SNSを中心とした「盛り上がり」が相互作用して大きな支持を集めたと、アイスタイルは分析する。
ミニサイズや限定色の投下、感触の異なる「ケイト スフレマット」の発売など、コレクション欲をくすぐる展開も功を奏し、リップモンスターシリーズで、アットコスメのリップカテゴリー売上ランキングの1位〜13位までを独占した。
発売から1年が経った現在も勢いはおとろえを見せず、アイスタイルでは、流行りを一過性で終わらせない「バズ消費」を象徴するコスメと位置づけている。
「アットコスメ ベストコスメアワード2022」の2~10位はすべて、過去にも受賞歴のあるアイテム。ロングセラーで安心感のある“鉄板コスメ”がフィーチャーされた。
失敗したくない、ムダなモノを買いたくないという堅実な消費者心理が働き、一過性の流行アイテムではなくロングセラー商品に支持を集めている。
アイスタイルはこの消費動向を「バズロングセラー」と命名。「一過性で終わらせないバズ消費」と「発売から年月の経った商品が掘り起こされるバズ消費」の2つの意味があるという。
アワードの発表は、アットコスメストアの旗艦店である東京・原宿の@cosme TOKYOで開かれた。
冒頭、今年9月に新社長に就任した遠藤宗氏があいさつに立ち「注目はバズ消費。コスメの発売時だけでなく、より長くコミュニケーションをとることがより大事になっている」と話した。
また、「ベストコスメは口コミによるもの、信頼に基づくものであり、このアワードを行えるのが本当にうれしい。今後も信頼を上積みし、アップデートしていく」と抱負を語った。
取材・文・撮影/大徳明子