MTGの2022年9月期通期決算(2021年10月1日~2022年9月30日)は、売上高が前年同期比14.5%増の489億8400万円と好調だった。ReFa(リファ)やSIXPAD(シックスパッド)の新商品がけん引し、国内売上は過去最高となった。
目次
MTG通期決算
2022年9月期通期決算(2021年10月1日~2022年9月30日)※連結
■売上高
489億8400万円(前年同期比14.5%増)
■営業利益
32億3800万円(同16.7%減)
■経常利益
37億2400万円(同11.6%減)
■親会社株主に帰属する当期純利益
26億8500万円(同52.0%減)
※包括利益 21億6500万円(同60.8%減)
増収となった一方、営業利益は前年同期比16.7%減の32億3800万円、経常利益は同11.6%減の37億2400万円、当期純利益は同52.0%減の26億8500万円と、いずれも減益。急激な円安による原価高騰が響いた。
また、新商品導入に伴う研究開発投資や人的資本投資により、販管費が前年同期比8%増となった。
セグメント別の業績概要
セグメント別の業績では、リファのヘアケア商品やシャワー、シックスパッドの新商品が好評を得て、ダイレクト、プロフェッショナル、リテールの3チャネルで増収となった。
売上高(百万円) | セグメント利益(百万円) | |
ダイレクトマーケティング | 22,846(16.3%増) | 6,089(1.4%増) |
プロフェッショナル | 10,941(23.9%増) | 1,753(12.0%増) |
リテールストア | 10,702(22.7%増) | 661(31.2%減) |
グローバル | 1,887(38.6%減) | △604(―) |
スマートリング | 186(103.4%増) | △1,224(―) |
スポーツジム(オンラインジム) | 1,318(37.5%増) | △35(―) |
その他 | 1,101(25.3%減) | 202(5.0%減) |
主力のダイレクトマーケティング事業は定額プランが好調
国内ECサイトやカタログ販売などを手がけるダイレクトマーケティング事業は、売上高が前年同期比16.3%増、セグメント利益が同1.4%増。
なかでも月々の定額料金でMTGの新商品が利用できる「MTG LIFEPLAN」の会員数が増加し、リファは新商品のシャワー「リファファインバブル S」やヘアケア用品「リファハートブラシ」が好調。シックスパッドはフットフィットシリーズが敬老の日のギフト需要で堅調に推移した。
美容サロン先行販売がヒット! プロフェッショナル事業は2割増
またプロフェッショナル事業の売上高は前年同期比23.9%増、セグメント利益は同12.0%増となった。
サロン専用プラットフォーム「B happy(ビ・ハッピー)」の加盟店数が順調に増加。また美容サロンにおいて先行販売した「リファビューテック ドライヤースマート」や「リファビューテック ヘッドスパ」などのヘアケア商品やシャワーを中心に店舗販売が好調に推移した。
リテール事業は百貨店をヘアケア特化型カウンターに
リテールストア事業の売上高は前年同期比22.7%増、セグメント利益は同31.2%減。新型コロナ禍対策の行動制限の緩和により店頭集客が復調した。
百貨店を中心にヘアケア特化型カウンターに改装するなど、ここでもヘアケア用品の好調がめだった。
グローバル事業の売上高は前年同期比38.6%減となり、赤字が続く。中国のロックダウンの影響が大きい。
スマートリング事業の売上高は前年同期比103.4%増となったものの、依然として赤字。マーケティング・研究開発等に先行投資しており、今後の成長に注目だ。
スポーツジム(オンラインジム)事業の売上高は前年同期比37.5%増となった。赤字が続くが、オンラインジム会員数が増加し、対面販売強化により売上が堅調に推移していることから、セグメント利益改善は進んでいる状況だ。
おもにEV自動車販売を手がけるその他事業の売上高は前年同期比25.3%減、セグメント利益は同5.0%減となった。
通期の業績予想
2023年9月期通期決算(2022年10月1日~2023年9月30日)※連結
■売上高
550億円(前年同期比12.3%増)
■営業利益
20億円(同38.2%減)
■経常利益
20億円(同46.3%減)
■親会社株主に帰属する当期純利益
14億円(同47.9%減)
文/牧野直樹