カテゴリー: 特集・インタビュー

「エンタメおじさん」になりたい! マジコ 嶋佐昌大さん Jobシンガー・missatoが行く(3)

「働く人に寄りそって曲をつくり歌います」

photo by Miho Urushido

こんにちは。Jobシンガーのmissato(みさと)です。

Jobシンガーとして、実際に現場を見学し、時にはいっしょに作業を体験し、自分でインタビューを行い、職業の曲をつくり歌う活動をしています。少しずつ曲数も増え、今は「美容師の歌」「保育者の歌」「タクシー運転手の歌」など11曲になりました。

この活動を通して、「働くこと」を軸に、さまざまな価値観を学んでいきたいと思っています。

今回の音楽好き美容師・嶋佐昌大さん

音楽のほかにもプロレスやバイクなど多趣味な嶋佐さん

嶋佐 昌大
しまさ・まお/Magico本店 店長
mod’s hairを経て、Magicoグループに入社。複数の新店舗の立ち上げに携わり、2019年よりMagico本店の店長に。骨格矯正カットを得意とし、メンズから高い支持率を誇っている。
▽Instagram=@mao_shimasa_magic

Magico(マジコ)下北沢本店
2006年にオープン。下北沢駅から徒歩4分。Magicoグループ全体では、東京、神奈川に計17店舗を展開する。カラーやショートヘアを得意とするem HAIR(エムヘアー)や髪質改善が人気のantheM(アンセム)、メンズサロンのMEN’S HAIR TOKYOなどそれぞれ特色の異なるコンセプトサロンを展開している。GARDENとコラボした若年層向けのデザインカラーサロンGAMEも話題に。
▽住所=東京都世田谷区北沢3-27-2二宮ビル
▽公式サイト=https://magicohair.info/

美容師になったきっかけ

憧れの街「東京」

僕は山梨の出身で、初めて東京に行ったのは中学生の時に家族で行った八王子です。人も建物も多くて、これが東京かと圧倒されました。今では山梨もどんどん都会になっていますが、当時の僕からしたら八王子は東京のど真ん中に見えて圧倒されちゃったんです。

東京への憧れがすごく強くて、東京に出たくて美容師になりました。それで美容師を選んだのはなんとなくだと思っていたんですけど、いま思えば、そのころから洋服も髪型を変えるのも好きだったから、ちゃっかり好きなものがある業界を選んでますね。

Magicoの由来

「Magico」はポルトガル語で「魔法使い」という意味です。お客さまを素敵に変身させる、まさに美容師がお客さまに対して提供できることを表現したもので、代表の上原(潤一郎氏)の思いが込められています。

1号店として下北沢に誕生したMagico本店は、レコードやアニメのフィギュアなどが店内のあちこちにぎっしり。上原の趣味が詰まっているサロンです。僕も趣味が被っているので、居心地がいいんですよ。下北沢という土地柄、お客さまも音楽好きやサブカル好きが多く、話がはずみます。

受付カウンター背面の棚から階段にかけて、たくさんのコレクションが並ぶ

実は、僕のキャリアで、Magicoグループは2社目です。新卒で入ったのは、mod’s hair(モッズ・ヘア)。いまの僕からは想像できないかもしれませんが、襟つきのシャツを着てビシッとした格好で働いていました。スタイリストになり、結婚もして、好きな街で働きたいと思ってMagicoに入ったのが6年前のことです。

Magicoグループは、それぞれ個性の違うコンセプトサロンをどんどん出店しているので、僕もオープニングスタッフや新店長として2店舗の立ち上げを担当しました。お店ごとのカラーの違いがおもしろく、いい経験をさせてもらったと思っています。その後、Magicoの原点である本店の店長を任されて3年になりました。

個性的な3階建のMagico本店。コーヒーショップと間違えてお客さまが入ってきたりもするというのもうなずけます
入り口にはカネゴン。下北沢に遊びに来た人や家族連れが撮影していくそう

美容室は苦手だった

美容室って緊張しません? 美容師として働いている僕がいうのもなんですが。

独特な雰囲気があるし、今までの見慣れた自分と全く違う見た目になるから、どんな姿にされちゃうんだろうって怖い 笑

子どものころは年に2回、床屋さんに行く程度でした。高校生になってからはロン毛。流行りとかではなく、美容室に行きたくなかったから必然的に伸びちゃって。

それほど苦手だったのに、上京して一番最初に行った美容室は、山梨出身の僕でも知っている有名店、「SHIMA」さん。奈良裕也さんに憧れていたんです。

今でも覚えているんですけど、原宿の竹下通りまで来たのに、緊張しすぎて帰ろうとしました。でも勇気を出して行ったら、美容師さんはやっぱり格好よくしてくれました。

美容室が苦手だったからロン毛だったというお話に一同びっくり

僕は、美容師になってから、だんだん仕事が楽しくなっていったパターンの人間なんです。必死こいてやっていたらいつの間にか、「あれ、俺楽しんでるわ」って。今が一番楽しいかも。

もちろん辛いこともありましたけど、東京に残りたいという思いと、自分でわがままを言って上京したので、ここで諦めたら親に顔向けできないという思いから、自分を奮い立たせてましたね。

ポップなイエローの機器や壁、シャンプー台足元のカラフルなタイルなど楽しい雰囲気の2階のフロア
店内に所せましと並ぶフィギュアたち

忘れられないお客さま

山梨から駆けつけてくれた両親

忘れられないお客さまは、両親です。

スタイリストデビューが決まると、親父はバイクを飛ばして髪を切りに来てくれました。ずっとアーノルド・シュワルツェネッガーさんの髪型にしていたので、この時も希望通りにカット。

母親はグレイカラーに染めて、ミディアムくらいの長さにカットしました。2人ともわざわざ山梨から髪を切りに来てくれて、めちゃくちゃうれしかったです。

学生時代、親にはいろいろ迷惑をかけてしまったので、美容専門学校に行ってからは、当たり前のことを当たり前にやると決めていました。スタイリストデビューするのにもけっこう苦労して3年半かかったので、両親の髪を切った時は感慨深かったなあ。

スタイリストデビューに駆けつけたお父さまとのツーショット。レザージャケットに似合うビシッと決まったヘアスタイルです

今も毎月来てくれる兄

4歳上の兄(お笑い芸人・ニューヨークの嶋佐和也さん)も、僕がスタイリストになる前から、毎月1回ずっと来てくれています。テレビに出る前も売れた後も、ずっと僕に任せてくれているので、いろんな髪型を提案して、どんな風にするか話し合って決めています。

本人は「なんでも良いよ〜」って言うんですけど、人前に立つ仕事だし、なんでもよくないじゃないですか 笑

1年半か2年前くらいに番組の変身企画で金髪にしてからは、スタイルが固まった感じはありますね。

ご家族とのエピソードを語る嶋佐さん
スタイリストになる前から、毎月来店してくれる兄・和也さん㊨とのツーショット(2019年12月23日投稿の嶋佐さんInstagramより)

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「兄の影響で音楽を聴きだした」

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