「エンタメおじさん」になりたい! マジコ 嶋佐昌大さん Jobシンガー・missatoが行く(3)

特集・インタビュー

③仕事と音楽

音楽を好きになったきっかけ

一番最初にCDを買ったのは小学校低学年の時で、「ミニモニじゃんけんぴょん」でした。

それがJロックや洋楽ロックを聴くようになったのは、兄の影響です。ここから音楽にハマりました。

中学生になると、CDショップのオリコンランキングの棚にあるものを片っ端から借りて、MDのほっそいシールに一生懸命タイトルを書いていました。「音楽を知っていればかっこいい」みたいな感覚におちいっていたんだと思います。部屋には、いつもロックを流していました。

GOING STEADYは僕の青春時代には欠かせないですし、その後、くるりにはまり、今も聴き続けています。

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ご自宅のCDコレクション。今はCDプレイヤーは持っていないけれど、集めていたCDを手放すことができず、大切に保管していらっしゃるそうです

こういう大人になりたいなって思う、少し年上の才能人にハマっていくんですよ。銀杏BOYZの峯田和伸さん、ZAZEN BOYSの向井秀徳さんとか。

フジファブリックのボーカル・志村正彦さんは実家が近所だったんです。大先輩だから学年は被っていないんですけど、僕の小学校の時の音楽の先生が、志村さんの音楽の先生だったり、同じ中学校というだけで、音楽を聴くたびに誇らしい気持ちでしたね。

嶋佐さんにとって音楽とは

音楽は、僕にとって「かっこいいと思う対象」なのかも。生きざまも髪型も、スポーツ選手や俳優ではなく、ミュージシャンとプロレスラーに影響を受けています。

僕は、年を取っても凝り固まらない精神を持っている「エンタメおじさん」でいたいんです。いい年の取り方をしたい。

僕が目指す最終形態は電気グルーヴの石野卓球さん、ピエール瀧さん。カッコつけているわけじゃないのに、めちゃくちゃカッコいい。所ジョージさんもそう。自由に見えるけれど、芯はしっかり持っているという生きざまに憧れます。

学生のころは音楽を自分でやりたいとか思わず、ライブにばかり行っていたんですけど、いまはギターを弾きたいです。自分が聴いてきたカッコいい曲を弾けるようになりたいなあ。

Magico 嶋佐昌大さん Jobシンガー・missatoが行く(3)
Magico 嶋佐昌大さん Jobシンガー・missatoが行く(3)
憧れの「おもしろおじさん」像・電気グルーヴの話を楽しそうに話す嶋佐さん

嶋佐さんの仕事観

エンターテイナーでありたい

僕が美容師になったころからずっと大事にしているのがエンターテインメント性です。音楽を作る人も、プロレスラーも美容師も、そこが共通していると思います。

エンタメ性というとすごく広い概念になってしまうのですが、お客さまからちょうだいしている1、2時間を、ただ髪を切るだけの時間にするのではなく、お客さまにとって一つでも楽しいとか嬉しいと思っていただけることを提供したいんです。それが僕のモットー。

ライブに行ったら気分が変わったりするのと同じように、美容師もお客さまの気分を変えられる仕事だと思っているので、そういうところは常に異業種のエンターテイナーから学びを得ています。

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大のプロレスファンでもある嶋佐さん。お客さまの中にプロレスラーの方もいるそうです

もちろん、話すのが苦手な方や雑誌を読みたい方もいらっしゃいます。話すだけがエンタメではないです。目の前の方の喜んでくれることをつかみたい、気づきたいという気持ちを持ち続け、満足の先にある「感動」を提供したい。そのために日々、技術も人間性も磨いていきたいと思います。

ただ、両親が山梨から髪を切りに来てくれた時は、マジでエンタメ性ゼロでした。緊張して全然しゃべれなかったです。モットーなのに。

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兄弟そろってプロレス観戦。仲の良さがうかがえます!(2022年11月10日投稿の嶋佐さんInstagramより)

コミュニケーション力は後天性

最初から人と関わることを楽しめていたかというと、そうでもなかったと思います。その殻を破らせてくれたのが東京なのかも。

上京して最初に住んだ高円寺には、いろんなところから人が集まっていて、お店もたくさんあって。自分の中にあった「当たり前」が軽々とくつがえされる日々が、どんどん楽しくなっていったんです。

コミュニケーション力というのは先天性のものではなく、だんだん身につけていくものなんじゃないかな。僕みたいに、美容室にもなかなか行けないくらいコミュニケーションが苦手だったのに、どんどん楽しくなって続けている人間もいます。

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インタビュー中、常に周りを気づかいながら、謙虚に受け答えされる姿が印象的でした

音楽もプロレスも美容師もファンが大事

それと、アシスタント時代の悔しさもありました。スタイリストの先輩とすごく盛りあがっていたお客さまが、アシスタントの自分がカラーの塗布を代わった途端、ダンマリになってしまうとさみしいじゃないですか。この温度差をどうしたら埋められるだろうと、お客さまとの会話を意識するようになりました。

美容師には「指名」という文化があります。言い換えると、ファンになってもらえるってことです。代表の上原がよく「多くのファンを作っていこう」っていう表現をするんですけど、自分もそれに共感しています。

現実的なことを言うと、美容師はファンがたくさんいてくれることが自分の売上につながります。これは音楽もプロレスもエンタメの世界も同じですよね。本当に一番難しいところですけど、ずっと向き合っていかなくてはならないことだと思っています。

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上原代表からプレゼントされたというレコードは「プロレス・ファイティング・ミュージック」。新日本プロレスのテーマ曲集です

嶋佐さんの描く未来

みんなが活躍できる場所を作りたい

会社としても個人としても、今いるスタッフたちに活躍してもらいたいんですよね、絶対に。

ただ、人を育てるというのは本当に難しいです。人間は十人十色だから、幹部みんなで教育カリキュラムを必死に考えています。技術、接客、仕組み、マインド。後輩に伝えたいこと、一緒に考えていきたいことがたくさんあります。絶賛、試行錯誤中です。

Magicoが100人規模の大きな会社になったからこそ巻き起こせるグルーヴ感があるので、しっかり向き合っていきたいと思います。

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バイク好きのスタッフさんと一緒にツーリングにも行かれるという嶋佐さん。その名も「シマサレーシングクラブ(SRC)」。大人の本気の趣味、カッコいいですね!

代表の上原と週に2、3回は会話する機会があるのもありがたいですね。真面目なところはしっかり真面目だけど、やっちゃえ!っていう勢いが本当にすごい人なんです。そうやって代表自ら勢いづけてくれるから、スタッフたちが自分の意見を伝えやすい雰囲気になるんじゃないかなと思います。

また、各サロンがコンセプトをしっかりと持っているので、その技術を学びたいという人が続々入社してくれていますね。

僕は「エンタメおじさん」になりたくて、自分よりも少し上の世代のロックをずっと聴き続けているんですけど、うちの代表も、いい年の取り方をしていてかっこいいです。

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人を育てるというのはどこの世界でも本当に難しいことなのだなと感じました

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