では薄毛対策にはどのくらいの費用をかけてもよいと思っているのでしょうか? 全体のスコアでは、男性のほうが女性を2,000円以上、上回っています。男性は美容室、理容室、医療機関での対策を検討している人も多く、一方女性は市販のサプリなど自宅で出来る対策を検討する人が多いことも影響しているようです。
年代別では、いちばん高いのは20代男性の8,080円! 続いて30代男性の7,244円です。男性は若年層で薄毛を気にする割合が女性よりも高いですが、「予防」段階での投資意欲が最も高く出ていることに注目しています
男女での美容室・理容室への相談意向は、男女比では女性のスコアのほうが高いのです。ただし年代別にみると、20代男性のスコアが70.6%と突出しています。20代男性は「今すぐ対策したい」という人よりも、「まだ薄毛ではないけど、いずれそうなるかも」と考えて予防を検討する人のほうが多いと思います。
一方で、いきなり病院や専門クリニックに行くのは敷居が高いと感じる人も多いでしょう。ざっくばらんに相談しやすいのが、定期的に通う「理容室・美容室」と考えるのかもしれません。自分のことをよくわかってくれる美容のプロがいるととらえている人も多いのではないでしょうか。
「美容室・理容室でやってみたい薄毛対策」では、男女とも1位は「薄毛が目立ちにくい髪型」、2位は「ヘッドスパ・ヘッドマッサージ」です。
美容師さん・理容師さんにとって当たり前かもしれませんが、サロンでは薄毛を目立ちにくくする髪型にすることも可能です。また薄毛を生かして「かっこうよく」見せるヘアスタイル写真もたくさんあります。一方、薄毛の人の中には、「髪を伸ばして薄毛を隠そう」「せっかくの髪を切りたくない」と考えてしまう人もいるようです。
薄毛でも似合う髪型があることや、カットによる対策が可能なことを、ネットなどでまずは正しく伝えるということは必要かもしれません。
2位の「ヘッドスパ・ヘッドマッサージ」は、ショートメニューをクーポンに組み込んで薄毛対策メニューとして提案しているサロンも多く見かけます。
薄毛対策メニューごとの「かけてもよいと思う金額の上限」は、最も高いのは「薄毛の箇所を、ボリュームアップできるようなパーマ」。プリカール(韓国風の根元立ち上げパーマ)を薄毛対策に提案するサロンもありますね。
特に女性はパーマの利用者は減少トレンドにありますが(美容センサス2022年上期<理容室・美容室編>)、一方で「おしゃれ」も「薄毛対策」もかなうメニューとしての可能性は高そうです。
データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
「薄毛に関する意識調査2022」(2022年10月)
調査対象:スクリーニング調査:50,000人
※人口動態に基づき性年代を割付
本調査:2,066人(全国20~69歳男女、現在薄毛がある、かつ薄毛を気にしている)
※スクリーニング調査での出現率をもとにウェイトバックを実施
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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