厚生労働省は2022年11月14日、先に発表した「令和4年度 現代の名工」について、東京・高田馬場のリーガロイヤルホテルで表彰式を行った。
理美容業界からは6名
技能者の地位および技能水準の向上を目的とする「現代の名工(卓越した技能者)」の表彰は、昭和42年に始まり、今年で56回目を数える。
令和4年度については、厚生労働省が11月11日付で全20部門150名を発表し、理美容業界からは美容師1名、着付師2名、理容師3名の計6名が選ばれた。
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武藏均氏が代表務める
14日には、各部門の代表者を招いて表彰式を開催。国歌斉唱の後、被表彰者の名前が順に読み上げられた。
第15部門「生活衛生サービス」は、理容師の武藏均氏(ヘアーサロンムサシ)がエルガーの名曲「威風堂々」の流れるなか、堂々たる歩みで登壇。羽生田俊・厚生労働副大臣より表彰状を授与された。
「発展の礎は人」(羽生田副大臣)
あいさつに立った羽生田副大臣は「コロナ禍やデジタル化においても、発展の礎(いしずえ)は人。その人のもつ技能は直面する課題に対応する力であり、新たな付加価値を創出して豊かさの原動力になる」と、卓越した技能による社会への貢献をたたえた。
そのうえで「将来を担う若者に、その高い技能を着実に伝承していただくことが極めて重要」と、教育の大切さをうったえた。
「産業技術が高度化、複雑化するなかで」(小玉氏)
続いて、技能者表彰審査委員が祝辞を述べ、被表彰者を代表して小玉紫泉(こだま・しせん)氏が登壇した。
小玉氏は第7部門「染色・紡糸等繊維製造」からの選出で、美術織物の最高峰とも称される西陣爪掻本綴織(にしじん つめがき ほんつづれおり)の職人。
「昨今、産業技術が高度化、複雑化し、社会的ニーズが変化し、一層適切な対応が求められていると強く感じる。そのなかで技能を高く評価していただけたことに感謝申し上げる」と、伝統を守りながらも日々感じている変化への危機感をにじませながら謝辞を述べ、今後のさらなる研鑽を誓った。
取材・文・撮影/大徳明子