“LINE完結型・美容師人材マッチングサービス”をうたう「WORKCANVAS(ワークキャンバス)」。
運営会社の株式会社グラム(東京都渋谷区/代表取締役:徳永雄一)が、独立系ベンチャーキャピタルのANRIなどから約2億円の資金調達に成功した。
LINEのみで完結の手軽さ
WORKCANVASのサービス開始は2019年。
美容業界に特化した採用サービスがすでに複数あるなか、WORKCANVASは「求職者とサロンがLINEのみでやりとりを完結できる」という手軽さで、後発ながら利用者を増やしていった。
2020年6月時点の利用サロン数は1,000店舗。コロナ禍で従来の採用イベントや対面採用が減少するのとは対象的に、初期費用無料キャンペーンなどの積極策を推進した。
その結果、2022年10月現在の利用サロン数は9,000店舗を超えている。
仕組みでかなえる安価な成果報酬型
WORKCANVASの特徴は、LINEと接続した独自のチャットシステムだ。
徹底した自動化とデジタル化でコストを抑えつつ、担当者によるフォローアップもあり、「人が介在する、手軽で手厚いマッチングサポート」となっている。
従来の採用サービスに比べて安価な成果報酬型のため、小規模事業者も利用しやすい。今後は「同様の課題を抱えている他業界への展開も加速していく」という。
採用者の定着サポートへ
今回、ANRI(東京都渋谷区/代表パートナー:佐俣アンリ)などを引受先とする第三者割当増資によって約2億円を調達したグラム。
まずは、この調達資金を自社の採用活動やマーケティングにあて、美容業界での提供価値拡大と他業界への横展開を進める。
さらに、採用・転職にとどまらず、採用後の定着・活躍のサポート領域へも進出する考えだ。
美容業界の人出不足は、採用難はもちろんのこと、その後の定着率も大きな原因であり、資金を得たグラムの今後の取り組みに注目が集まる。
文/大徳明子