男女の白髪調査 理美容室における白髪対策費は3年連続増!

特集・インタビュー

女性の理想は「オシャレ染めと同じ色でなじませたい」

男女の白髪調査を発表!理美容室での白髪対策の費用が3年連続で上昇!(ホットペッパービューティーアカデミー調査)

理想とする白髪のカラーリングは、女性の1位が「オシャレ染めと同じ色でなじませたい」、男性の1位は「地毛の色(濃い黒など)で隠したい」です。

ところが、「現状のカラー」は「白髪を隠す色(黒や濃い茶色など)」が男女とも1位なのです。つまり、女性は「現状」と「理想」が異なっています。

この理由は、女性はオシャレ染めをもともとしている比率も高く、白髪になったからといっても、白髪染めを使って髪の色を暗くすることには抵抗を感じる人も多いということではないでしょうか。このため、「いつものオシャレ染めのついでに」白髪の部分もカラーしてもらう、という方法に関心が高いのでしょう。

なお、「白髪を生かして周囲と自然にぼかしたい」は男女とも2割強です。

「白髪ぼかし」の認知・実施は?

男女の白髪調査を発表!理美容室での白髪対策の費用が3年連続で上昇!(ホットペッパービューティーアカデミー調査)

最近、SNSなどでも話題の「白髪ぼかし(白髪ぼかしハイライト)」。白髪を生かし、周囲の髪をハイトーンカラーで染めることによって、白髪を目立ちにくくするメニューです。

女性の認知を見ると、「認知あり×実施あり」が4.6%、「認知あり×非実施」が23.1%なので、認知は約3割。まだまだ認知に対して、実際にやっている人は少ないですが、非実施の中でも実施意向があるのは4割弱のため、今後の伸びが期待できます。

男女の白髪調査を発表!理美容室での白髪対策の費用が3年連続で上昇!(ホットペッパービューティーアカデミー調査)
写真提供:nex the salon coall 表参道 スタイリスト・西川まゆさん

なお、白髪ぼかしの男性の認知は3割強と女性よりも高いのですが、これは理容室で昔からある「白髪染め」(白髪染めの時間を短くし、グレーの色味で染める)の影響もあるでしょう。

「白髪ぼかし」の利用理由は?

男女の白髪調査を発表!理美容室での白髪対策の費用が3年連続で上昇!(ホットペッパービューティーアカデミー調査)

「白髪ぼかし」の利用理由を見てみましょう。

男女ともに1位は「白髪が伸びても気づきにくい」です。白髪染めをしても、生え際の白髪がすぐに伸びてとても気になってくるという方は多いのではないでしょうか。リタッチカラーを繰り返したり、頻繁に美容室に通うという方もいらっしゃるかと思います。

「白髪ぼかしの施術によって、生え際の髪が伸びても気になりにくくなり、白髪染めをする頻度が約半分になるお客さまもいらっしゃいます。」(nex the salon代表・寺田洸さん)というサロンからの声も。

2位は「オシャレに見える」。若年層に人気のハイトーンカラーを使うことで、白髪を生かしてトレンド感のあるデザインを作ることもできます。

白髪は「隠す」から「生かす」時代に!?

長い間、白髪は「隠す」ものでした。「白髪染めは身だしなみであり、常に行わないといけないと思う」という意識は63.1%(2020年は66.2%)で、年々下がっているのです。

特に女性は「白髪染めを常にやらなければいけない」というプレッシャーを感じる人も多いと聞きますが、その意識が価値観の多様化や「グレイヘア」の認知の高まりなどで変化してきているようです。

一方で、「白髪も、見せ方によってはすてきな印象を与えると思う」は、67.3%(2020年は64.4%)と増加しています。当社の調査でも「白髪の似合う有名人」で2019年以来つねに1位の「近藤サト」さんは、グレイヘアのヘアスタイルでメディアに出て大きな話題になりました。

ハイトーンカラーを使った「白髪ぼかし」は、グレイヘアまでは勇気がないけれど、白髪染めをせずに自然に見せたいといったニーズも叶えているのではないでしょうか。

データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
白髪・グレイヘアに関する意識調査2022」(2022年9月)

調査対象:スクリーニング:50,000人 ※人口動態に基づき性年代を割付

本調査:1,031人(全国20~69歳の男女、美容室の利用頻度が3カ月に1回以上で、現在白髪があり白髪染めをしている、または白髪を気にしている)

※スクリーニングでの出現率をもとにウェイトバックを実施

田中 公子

ホットペッパービューティーアカデミー研究員

TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。

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