疲労回復の方法については、
①睡眠
②栄養
③道具
の全3回。
今回は、疲労回復にとって大切な睡眠についてお伝えしていきます。
睡眠時間が短くて疲労がとれない、あるいはしっかり睡眠時間をとっているのに疲労がとれないという方に、より良い睡眠についてお伝えします。ぜひ参考にしてみてください!
疲労回復の土台になるのは「睡眠」と「食事」です。この土台の上に、ストレッチやマッサージなどの手法があると言えるでしょう。特に睡眠は、肉体的にも精神的にも疲労回復には必要不可欠なものです。
睡眠時間は長すぎても短すぎてもいいとは言えません。ベストな睡眠時間を意味する「推奨睡眠時間」は、18~64歳の成人なら7~9時間程度だと言われています。
1歳ぐらいの子どもの場合は10~11時間です。また、身体を酷使するトップアスリートも実は10~11時間程度の睡眠が推奨されています。
睡眠が足りないと、身体は「アルコールを摂取したときと似た酩酊状態」に近くなります。
たとえば、19時間から20時間ほど睡眠を遮断した状態、つまり1日の睡眠時間が4~5時間のまま活動を続けていると、血中アルコール濃度0.05%と同程度まで脳の認知機能が低下してしまいます。これはビールを750ミリリットル、つまり500ミリリットルのロング缶を1本半飲んだ状態と同じです。
さらに、28時間睡眠を遮断すると、血中アルコール濃度0.1%と同程度まで脳の認知機能が低下します。これはビールを1.5リットル、つまりロング缶を3本飲んだときと同じ状態で活動していることになります。
すなわち、睡眠不足は酔っ払っているのと同じと言っても過言ではありません。睡眠不足のまま、車を運転するのが非常に危険なことだとわかっていただけると思います。
睡眠不足になると、脳の認知機能が低下するほか、運動のパフォーマンスが低下します。精神衛生上もよくありません。気分が落ち込みやすくなります。
子どもの場合、睡眠不足が学力低下を引き起こします。大学生の睡眠不足が成績低下と深く関係していることは、研究によって明らかになっています。睡眠不足はいたるところで身体と心に悪影響を及ぼしているのです。
また、睡眠時間が1日6時間程度だったスポーツ選手に、昼寝も含めて1日10時間睡眠を6週間ほど続けてもらったという実験があります。6週間後、スポーツ選手はダッシュの時間、反応速度など、すべての項目の数字が上がっていました。また、自己評価も高まり、メンタル面も強化されました。睡眠時間を長くすることが、いかにパフォーマンスを上げるのかおわかりいただけると思います。