ホットペッパービューティー経由の年間予約売上高で選出する「ホットペッパービューティーアワード ベストサロン部門」。
この“売れている美容室”の証明であるアワードで、「HAVANA(ハバナ)渋谷」はオープンの翌年にシルバープライズ(6~9席)、3年目からは2年連続でゴールドプライズ(6~9席)を受賞している。
なぜHAVANAは集客できるのか、売上をあげられるのか、スタッフが集まるのか。その理由を、統括代表の塚越影正さんに聞いた。
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道から見えなくても「ネットで集客」
宮益坂口から徒歩3分。渋谷駅からのアクセスは良好であるものの、HAVANAが位置するのは、若者が行きかうセンター街とはちがって静かな時間が流れる渋谷一丁目。雑居ビルの8階だ。
道を歩いていても、美容室があるとは気づかない。しかし、HAVANAはホットペッパービューティーによるネット集客が中心のため、路面店でなくても十分に集客できるという。
「普通のメニュー」で勝負
一般的なサロンは価格競争に巻きこまれやすいため、近年は、ターゲットを若い男性に絞ったり、縮毛矯正やハイトーンカラー、ショートヘアを打ち出したりなど、何かに特化することで集客力を高める戦略が目立つ。
だが、HAVANAが中心にすえるのは「カット+カラー+トリートメント」のセット。普通すぎるほどに普通のメニューだ。
「結局、一番動くのは一般的なコースなんです。需要があるクーポンを、ホットペッパービューティーを使うお客さまの価格比較の中でどれだけ効果的に発動していくかが大事。だから、価格設定を何度も何度も調整して戦ってきました」(塚越さん)
一律料金はNG! エリアや平日休日で変える
渋谷、新宿、福岡・天神に店を構えるHAVANAに加え、AUSTIN(オースティン)やCarèlly(ケアリー)などグループ全体で14店舗を展開しているが、メニューやクーポンの価格は店によって異なる。
「渋谷と新宿では求められる価格帯が違います。フィットするまで調整を続けるので、全店一律料金にはしません。エリアごとに価格を変えています」と塚越さんは話す。
また、日時限定クーポンで平日と休日に1000円ほどの価格差をつけることで、美容室でよくある“週末に予約が集中してしまい、逆に平日は枠が埋まらない”という問題にも対応している。
「サロンボード」はSNS感覚で
HAVANAの綿密な価格調整や日時限定クーポンなどの施策は、予約・顧客管理システムの「SALON BOARD(サロンボード)」で行っているという。
サロンボードは予約や顧客情報の管理に始まり、来店周期やリピート率の分析、売上高の集計と分析、会計処理、ホットペッパービューティー掲載情報の編集、ブログ投稿、口コミへの返信、メッセージ配信まで可能だ。
実に多様な機能を備えているが、すべての機能をフル活用しているサロンはそう多くない。マネジメント業務としてオーナーや店長が運用し、スタイリストはブログ投稿や口コミの返信だけという話も聞く。
しかし、スタイリストかアシスタントかを問わず、HAVANAでは全員がサロンボードを理解して使う。正社員や業務委託と多様な働き方があるが、そこでの差もない。「業務委託ではなくパートナーシップやパートナーリレイションズと呼び、一体感を大事にしています」と塚越さんは言う。
「特に若いスタッフには、インスタグラムやツイッターの感覚でサロンボードにさわることを根づかせているので、アシスタントもどんどんブログを投稿しますよ」。
「集客はお金がかかる」と全員が意識
スタッフがなかなかブログを書いてくれないというのは、よく耳にする悩みだ。なぜ、HAVANAでは自主的な活用が進むのか。
「メッセージ機能をよく使うのですが、お客さまを分析して、効果的なタイミングでクーポンを配信しています。それがお客さまの予約につながるので、集客の取り組みと効果をリアルに感じているんでしょうね」と塚越さんは分析する。
HAVANAが利用しているのは、最上位のプラチナプラン。「SNSから自力で集客できるインスタグラマーみたいな美容師って、ひとにぎりじゃないですか。会社が広告費をかけて集客していると、スタッフはみんな知っています。会社はスタッフにより多くのお客さまを担当してもらいたい。スタッフも会社が提供する広告費用をうまく使って売上を伸ばすというのが僕らの考えです」
さらに、塚越さんはこう続ける。「前の店では自力で集客するしかなくて、新規のお客さまを担当させてもらえるのは月に数人だったけれど、HAVANAでは100人以上を担当しているという人もいます。お客さまの数の違いが、給与や技術力の伸びの違いになるので、うちはスタッフが本当に辞めないですね」