2022年6月に販売スタートした、アデランスの小型ドライヤー「BeauStage ELEGANJET(ビューステージ エレガンジェット)」。
「髪の専門家」が満を持して送り出す新製品は、サロンの店販品としても注目を集めている。
エレガンジェットの発売前日、都内で開かれた製品発表会のトークショーでは、デジタルの活用や、アデランスの取り組みについて語られた。
BtoBtoCのECサイトに注目
トークショーにはアデランスの津村佳宏代表取締役社長、エレガンジェットのエグゼクティブアドバイザーを務めたAFLOAT(アフロート)の宮村浩気代表、エレガンジェットのサロン向け流通を担うビューティガレージの野村秀輝CEOが登壇した。
津村社長を中心に、昨今注目を集めるBtoBtoCのECサイトや、サロンの店販についてトークを繰り広げた。
加速する美容業界のデジタル化
津村 新型コロナウイルスが流行してから2年が経ちました。美容業界の中でもデジタルトランスフォーメーションが進み、色々な仕組みやサービスが出来ています。宮村さんはどのように感じていますか?
宮村 デジタル化でいろいろな部分が便利になったと思います。情報がたくさん入手できますし、こちらからの情報も伝えやすくもなりました。あとは、お客さまとのやり取りが、SNSを通して簡単に出来るようになったり、予約システムも使い勝手がよくなりました。
津村 ビューティガレージはデジタルの力を強みに、どんどん大きくなられて、急成長されています。現在、BtoBtoCのECサイト「Salon.EC」も展開していますね。
野村 ありがとうございます。当社は「美容業界を変える」をスローガンにしています。どうやって変えていくかというと、デジタルの力で美容サロン、美容業界を変えていくということだと思っています。
これまで美容業界はデジタル化が遅れていましたが、コロナ禍で一気に加速しました。美容サロンにおけるデジタルリテラシー、情報の活用具合が、生死を分ける時代に来たなと痛感しています。
当社は今年2月に「Salon.EC」という、無料でネットショップを構築できるサービスを立ち上げました。まさにこのエレガンジェットは、店販で売っていくのにピッタリな商品だと思っているので、大いに期待しています。
お客さまとの信頼関係があるからこそ
津村 今回このエレガンジェットの販売においても、「Salon.EC」がかなり追い風になるんじゃないかと思っております。
美容商品や、サービスが変わってきていますが、宮村さんも色々なものを開発されています。今回のエレガンジェットもいいものが出来たと自負しています。今後、サロンで販売する商品は、どのようになっていくでしょうか?
宮村 今まで僕たち美容師は、「髪の毛だけ」でした。しかし現在は、頭の先から足の先、口に入れるものまで、プロデュースさせていただくことがあります。たとえば、サプリや美容機器などですね。
美容師さんとお客さまの信頼関係があるからこそ、その商品をすすめることができて、提供できます。BtoBの商品も、いいものがどんどん出てきているので、お客さまにも伝わっていくと思います。
プロ向けメーカーに本物がやってきた
津村 ビューティガレージでも、たくさんのアイテムを取り扱っていますね。
野村 色々なメーカー様と取引をしていますが、今回アデランスさんと一緒に取り組むことができて、大変驚いております。どうしてかというと、企画会議などに出させていただく中で、「やっぱり毛髪のプロのメーカーさんなんだな」と本当に強く実感しました。
今業界では、美容家電やヘアードライヤーが流行っていて、他のメーカーさんも出していますが、ものづくりへのこだわり、熱意、思い、品質や安全面へのこだわりが全然違うなと思いました。
プロダクトとしての根源的な価値、本質的な部分を見せていただき、BtoBのサロン流通業界に本物のメーカーが来てくれたことが、すごくうれしいです。これからそういった商品を、どんどん出していけたらと思っています。
美容商材以外にもチャレンジ
津村 お褒めの言葉をいただき、本当にありがとうございます。これからアデランスは、自社内だけの取り組みから、エレガンジェットを皮切りに、美容関係だけでなく、医療に使うような商材も発展させていきたいと思っています。
アデランスに対する期待などをお聞かせいただけないでしょうか?
宮村 今まで、髪の毛に関して超一流の商品はたくさんあったと思います。これからは髪の毛だけではなく、「美容」という幅広いところで、お客さまに喜んでいただけるような商品を作っていただきたいなと思います。
野村 さまざまな商材に挑戦するということで、すごく楽しみです。
一つ私からの提案ですが、せっかく美容サロン向けのBtoBに入ってきていただけるのであれば、BtoBtoCではなく、美容サロン向けの機器や器具にも挑戦していただけるとうれしいなと思っています。
業務用で使う機器や器具は、意外と寡占市場となっていて、もっともっとプレイヤーがいたほうがいいんじゃないかと思うことがあります。デジタルパーマなのか、遠赤外線促進機器なのかはわかりませんが、そういった機械にも挑戦していただきたいです。
津村 そうですね。できる限り、サロン様やエンドユーザーの皆様に貢献できるような、そのような業務用のものにもチャレンジしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
文/杉野碧