ビューティガレージの2022年4月期連結決算は、売上高が前年同期比19.4%増の234億100万円、営業利益が20.1%増の12億200万円だった。
円安や原材料・輸送費の上昇が起きるなか、売上高、利益ともに前年実績を2割ちかく上回った。
目次
ビューティガレージの2022年4月期決算
美容サロンはコロナ禍から回復傾向にあると見られ、1年間に1回以上購入しているアクティブユーザーは前年同期比110.5%、6回以上のロイヤルユーザーは124.4%と順調に増加した。
また、美容サロン向けネットショップ構築サービス「Salon.EC(サロンドットイーシー)」も好スタートを切っており、今年2月のスタートから3カ月間の申し込みサロン数は1880件に上る。
円安、原材料・輸送費の上昇などのコスト増に対しても、販管費を圧縮するなどの努力で利益率の低下を抑え、営業利益が20.1%増、経常利益が12.5%増と増益を達成した。
2022年4月期(2021年5月1日~2022年4月30日)※連結
■売上高
234億100万円(前年同期比19.4%増)
■営業利益
12億200万円(同20.1%増)
■経常利益
12億1500万円(同12.5%増)
■親会社株主に帰属する当期純利益
7億900万円(同8.5%増)
※包括利益 7億4700万円(同10.7%増)
セグメント別の業績概要
業績をセグメント別に見ると、物販事業、店舗設計、その他ソリューション事業のいずれも前年実績を上回った。
主力の物販事業は前年を2割ほど上回る185億1800万円。その他ソリューション事業がおよそ1.7倍に急伸し、10億円を超えた。
(1)物販事業
■売上高
185億1800万円(前年同期比18.8%増)
■セグメント利益
9億5400万円(同22.2%増)
シャンプー台やイスなどの機器・用品のイメージが強いが、NB化粧品の成長が続いている。
22年4月期は、化粧品・材料が物販事業売上の53.2%を占めた。ストック型の収益構造へと転換が進んでいるのが見て取れる。
(2)店舗設計事業
■売上高
38億5600万円(同13.7%増)
■セグメント利益
2億6900万円(同26.0%増)
前年が四半期ベースでの過去最高売上高を記録した第4四半期は、その反動もあり落ちこんだが、通期では増収増益を達成した。
従来の美容サロンに加え、ショップやクリニックなど美容業界以外の案件も増加し、案件の平均単価が上昇している。
(3)その他周辺ソリューション事業
■売上高
10億2500万円(同67.1%増)
■セグメント利益
1億2400万円(同52.3%増)
美容サロンの開業と経営に必要な各種サポートやサービスを提供するソリューション事業については、特に店舗リース、年会費無料のビジネスカード「サロン プロフェッショナル カード」、損害保険が堅調で事業売上高が10億円を超えた。
2021年度の主なトピックス
なお、ビューティガレージの2022年4月期(2021年度)の主なトピックスは、次の通り。
■ 2021年5月
・【リアル店舗】美容商材ストア「BG EXPRESS渋谷」を拡張
・【ソリューション】美容サロン向け低圧電力供給サービス「BGでんき」を提供開始
■ 2021年9月
・【M&A】理美容機器中古販売業の株式会社ビューティーリユース(現・BGリユース)をグループ化
■ 2021年11月
・【新会社】株式会社ジムガレージを設立。フィットネス/スポーツジム領域へ新規参入
■ 2022年2月
・【新事業】美容サロン専用ネットショップ構築サービス「Salon.EC」により、BtoBtoC向け事業開始
■ 2022年4月
・【大型新商品】リンナイと共同開発したサロン専用加圧給湯システム「クイックボイラー」を発売
2022年度の大型施策と業績予想
今期の大型施策としては、スマートフォン向けECアプリの全面リニューアルを7月に予定している。
さらに、持続可能な社会への貢献として、カラー剤容器の回収プロジェクトを6月より開始する。
また、2021年度にスタートした新事業、ジムガレージとSalon.ECについても、今年度より本格稼働させ、成長軌道に乗せる構えだ。
2023年4月期(2022年5月1日~2023年4月30日)※連結
■売上高
270億1300万円(前年同期比15.4%増)
■営業利益
14億700万円(同17.1%増)
■経常利益
14億1000万円(同16.1%増)
■親会社株主に帰属する当期純利益
8億5000万円(同19.7%増)
文/大徳明子