コロナ禍で、サロンから足が遠のく女性客が増えている。
全国理美容製造者協会(NBBA)の2021年サロンユーザー調査によると、1年間にサロンを一度も利用していない女性は13.6%で、国内人口から拡大推計すると約668万人に上る。
一方、サロン平均利用回数については、若年層の利用がコロナ前の水準に回復しつつある。
コロナ禍でサロンから足が遠のく人増加
調査は前回まで全国の15~69歳の女性が対象だったが、今回から79歳までと拡大している。
「あなたは、最近1年間に何回美容室を利用しましたか」の問いに対して、15~79歳までの全年代で「0回」と答えたのは13.6%だった。
前年までと比較するため15~69歳に限ると、12.9%。2019年は10.1%、2020年は11.3%で、コロナ禍で増加している。
なお、今回0回と答えた13.6%(=約668万人)が、サロンで年5000円利用するようになると、業界全体で約330億円の売上規模拡大になるとNBBAは試算している。
最近1年間のサロン利用回数0回の割合推移(15~69歳)
サロン平均利用回数は4.3回と微増
最近1年間のサロン利用回数で、最も多かった回答は4回で15.2%だった。また、1~4回に約50%が集中している。
最近1年間のサロン利用回数(15歳~79歳)
15~79歳までの全年代のサロン平均利用回数は4.3回だった。
過去3年間で比較すると2021年の15~69歳は4.0回。コロナ前となる2019年の4.3回には満たないが、2020年の3.9回からわずかに増加した。
過去3年間の年代別サロン平均利用回数
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
15~19歳 | 3.0 | 2.9 | 3.2 |
20代 | 3.7 | 3.5 | 3.5 |
30代 | 3.6 | 3.2 | 3.5 |
40代 | 4.1 | 3.7 | 3.7 |
50代 | 5.0 | 4.3 | 4.6 |
60代 | 5.4 | 4.8 | 5.0 |
70代 | ― | ― | 5.4 |
15~69歳 | 4.3 | 3.9 | 4.0 |
15~79歳 | ― | ― | 4.3 |
さらに年代別に見ると、横ばいか微増している。特に15~30代では、2019年に近い水準まで戻ってきている。
また、年代が上がるほど利用回数が多くなる傾向も見られる。15~19歳は3.2回だが、70代は5.4回と2.2回の差がある。
コロナ禍で依然として厳しい状況は続くが、回復傾向もうかがえる。利用回数が多い40代以降の回復を期待したい。
サロンユーザー調査2022(2021年調査)
■ 調査時期
2021年10月1日~10月11日
■ 調査方法
インターネット調査
■ 調査対象者
全国の15~79歳の女性
文/杉野碧