④美容にお金や時間をかけたい理由1位は「自分に自信を持ちたい」
次に、10代後半女性の美容意識の変化のデータをみていきましょう。
「美容に対してお金や時間をかけたい理由」のうち、「コロナ前から強くなった」の1位は「自分に自信を持ちたい」です。3位にも「自分のためにきれいになりたい」が入っており、「自分のため」という言葉が上位にあがっていることが特徴的です。
一方、「コロナ前から弱くなった」ことの1位は「異性にモテたい・褒められたい」、2位以下も周囲からの見え方に対する意識があげられています。
また、10代後半が読者に多い女性誌の表紙でも、コロナ前までは「モテ」や「愛され」という言葉が並んでいましたが、コロナ禍では「自分アゲ」や「自分至上最高」などの言葉を見る頻度が上がったと感じています。
10代後半女性も、周囲からの見え方ではなく「自分がどうしたいか?」ということをコロナ禍では重視するようになってきたのではないでしょうか。
⑤サロンは「自分に自信を持てる」場所!10代後半女性は最もニーズが高い
実はサロンに対しても、10代後半女性は「自分に自信を持つ」ことへの期待値が、他の年代以上に高いのです。裏返すと、10代後半女性は他の世代よりも、「自分への自信」が低いのかもしれませんね。
ご紹介した2つのデータからは、自分に自信を持つために、美容を頑張る。そして、キレイになる手段としてサロンへの期待が高いという関係性がみえてきます。
また、10代後半は高校生も多いので、メイクができない学生も多いのでしょう。そのため、髪型や髪質改善によってキレイになることへの期待値が高いともいえるでしょう。サロンが担う役割は、他の世代以上に高いのかもしれません。
これからのマーケットを担う10代後半女性の美容の目的を知ることで、ご提案方法に活用いただけますと幸いです。
データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー
「美容センサス2021年下期<美容意識・購買行動編>」
「美容センサス2021年上期<美容室・理容室編>」
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。