2022.03.17更新(2022.02.21公開)
セミナーのダイジェスト動画公開にともない、記事の最後にリンクを追加しました。
ホットペッパービューティーアカデミーは2022年2月15日、「メンズ美容最前線!」と題したセミナーをライブ配信した。講師を務めたのは、スキンケアブランドを手掛けるバルクオム代表の野口卓也氏と、メンズサロン・GOALD代表の中村トメ吉氏。
当日は108人が参加し、質問が殺到するなど関心の高さがうかがい知れた。可能性を秘めたメンズ美容について、最前線に立つ2人が、熱いトークを交わした。
メンズ美容を引っ張る2人
野口卓也氏が代表を務めるバルクオムは、2013年創業。メンズスキンケアブランドとしてスタートし、木村拓哉さんのアンバサダー起用や、メンズメイク商品の販売開始など、メンズ美容界に新風を巻き起こしている。
セミナー当日には、バルクオムのメンズメイク商品が全国の理美容室で4月から販売可能になると発表された。店頭販売だけでなく、眉カットメニューにスキンケアとメイクを組み合わせたメニュー開発を理美容室と共に行い、メンズメイクという選択肢を提案していくという。
中村トメ吉氏は、若い男性をターゲットにした「OCEAN TOKYO」を立ち上げ、有名サロンに押し上げた。「OCEAN TOKYO」を離れた後、2019年に再び起業して美容室「GOALD」をオープン。サロンを軸としながら、株式会社GOALD JAPANとしてメンズプロダクト事業も展開している。
中村氏が野口氏にツイッターのダイレクトメールを送ったことがきっかけで、交流が始まったという2人。
「年代ごとに異なる男性の美容意識」「2022年の戦略、今後の構想」「大質問大会」の3部構成でメンズ美容について語った。
高まるメンズの美容意識
2021年のホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、1年以内にメンズメイク商品を購入したことがある20代男性の割合は18.2%。
この数字に野口氏は、「20代の男性は、これまでよりも美意識が上がっていて、使えるお金も増えてくるタイミング。フルメイクには手が届かないけど、ワンアイテム使ってみたいというニーズはかなり増えていると思う」と話した。
また、「メンズビューティはポテンシャルのある市場。まずは自分自身がやってみて、お客さんにも試してもらいたい」と野口氏は勧める。
「平成男子」と「令和男子」
「年代ごとに異なる男性の美容意識」パートでは、「平成男子」と「令和男子」を比較した。中村氏は「(平成と令和で)かっこいいの定義が変化した」と分析。
平成では外見のギラギラ感や、内面も本質よりブランドを重要視する傾向があった。一方、令和になるとインターネットやSNSの普及で情報量が増え、「本質的な部分を見る目が育っている」(中村氏)。
中村氏によると平成男子は芸能人や、インフルエンサーに憧れていたが、令和男子はそれぞれの「なりたい自分像」を持っているという。
野口氏も「50万人のフォロワーがいるインフルエンサーより、フォロワー500人の身近なリアリティのある人に憧れる」と同意した。
平成男子
- 外見「ギラギラ感」
- 内面「ブランド>本質」
- 商品「カッコつけたい男性に向けた商品」
- アプローチ「芸能人やインフルエンサーを使ったマーケティング」「誇大広告(誤解を招くような情報も)」
令和男子
- 外見「清潔感、上品、知的、スマート」
- 内面「しっかりとした内面があること(実質、経歴、実績、ファクト)」
- 商品「なりたい自分像に向けた商品」
- アプローチ「一人一人に合わせたパーソナルな提案」「美容師(プロ)のアドバイスによる対面販売」
また、中村氏は「肌と髪にかける時間配分のバランスが完全に変わってきている」とも指摘。
「平成男子はワックスを使って、セットして、アイロン通して、それがかっこいい。でも今の子はなるべくナチュラルに仕上げて肌に気をつかう」と話した。
質問殺到の大質問大会
「大質問大会」では、参加者からの質問が殺到し、メンズ美容への関心の高さがうかがい知れた。
「肌知識の少ない男性にスキンケア用品をお勧めする時のポイントは」の質問には、野口氏は「ヘアサロンならシャンプー後にホットタオルで顔を拭いた後など、気の利いたタイミングで化粧水を出す」と回答。中村氏は「自分が乾燥肌なのか、油性肌なのか分かっていない人も多いので、まずは自分(の肌質)を知らせてあげる」と助言した。
また、サロンでのメンズコスメの紹介方法やオペレーションに関しての質問もあった。野口氏は「今日、眉毛でも書いてみる?」と聞いて最初のハードルを下げる施策で、サロンでの体験を入口に興味を持ってもらうことなどを勧めた。
メンズ美容市場開拓へ
「2022年の戦略、今後の構想について」のパートで野口氏は、「まずは市場をみんなで広げていきたい。時間をかけて、メンズメイク普及のために尽力していきたい」と話した。
その上で、「メンズコスメブランドとして世界シェアNo.1になりたい」と将来の大きな野望も語った。
中村氏は、GOALDの直営店やフランチャイズを全国に拡大していくという。また、ワックス以外にもカラー剤やパーマ剤など、メンズ専用商品の開発へ意欲を見せた。
GOALDは「メンズヘアのインフラ企業」という目標を掲げ、「ブランドサロン」「FCサロン」「教育」「提携サロン」「プロユース」「リテール」の6事業を展開している。
目標は、2022年6月に3.4億円、2026年6月に55億円。「メンズヘアケアのアジアNo.1シェアを獲得したい」という夢を口にした。
なお、同セミナーのハイライト動画は、3月中旬にホットペッパービューティーアカデミーでアップされる予定。
→ 動画が公開されました。「BULK HOMME 野口卓也×GOALD 中村トメ吉『メンズ美容最前線!』」(2022.03.17追記)
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