様々な業種に対して、「エシカル消費」に対する購入・利用の経験と、意向をそれぞれ聞きました。
購入・利用の経験と意向の両方が最も高いのは「食品」です。「ヴィ―ガン」「フードロス」なども広がっていますね。最近では、食べきれなかったお料理のお持ち帰りOKの飲食店もあります。
美容業界では、化粧品が購入・利用の経験と意向ともに4位と、食品・日用品・衣料品に次ぐ順位です。一方、美容サロンは購入・利用の経験は8位、利用は7位と低めです。
サービス業のため具体的なイメージが少しわきにくいのかもしれませんが、最近では店販をレフィル販売や量り売りにしたり、オーガニックな成分でのオリジナル商品を作るサロンも増えており好評なサロンが多いと聞きます。
お客さまの認知が高まるにつれて、利用経験や意向が高まる可能性があります。
美容サロンを利用する際に、エシカルな美容サロンかどうか意識して選びたいか?という質問に対しては、約3割が利用意向ありと答えました。
利用意向のある女性からは、「自分が貢献できることがあればしたいと思った」(24歳、広島県)や、「意識の高いお店なら安心した施術が受けられそうという安心感もあって」(35歳、東京都)となどのコメントがあがっています。
サロンでの消費を通じて、自分も社会貢献できることや、エシカルに取り組んでいるサロン自体に、安心感を得られていることがうかがえます。
最後に、お客さまが「利用してみたいエシカルなサロン」を聞いてみると、上位に「スタッフの手荒れ防止など、肌にやさしい薬剤の使用」や「スタッフが長時間労働にならないような配慮」など、スタッフの労働環境に配慮している項目が上位にあがってきました。
エシカル消費というのは、環境だけではなく、作り手の労働環境に対しても「倫理的」であることも含まれています。美容サロンという「人」の技術でサービスを提供する分野においては、お客さまも、サービスの担い手が安心できる環境で働くことを求めているようです。
株式会社リクルートでは「一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」を目指しており、サービスを通して社会に貢献することを目指している他、店舗に向けては「サロンボード」という顧客管理システムを提供し生産性向上のサポートなどを行っています。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容師の皆さん一人ひとりが生き生きと働ける環境づくりにも貢献していただけるよう、11月にサステナビリティぺージをリニューアルオープンしました。
この調査の他にも、「エシカル」「ダイバーシティ」といったサロンの取り組みについても、特集ページでご紹介しています。ぜひご覧ください。
→特集ページ「美容業界 SDGs」(ホットペッパービューティーアカデミー)
データ出典
ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロンのサステナビリティに関する利用者の意識調査」
田中 公子
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
TANAKA KIMIKO/前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。調査研究員として、「美容センサス」をはじめとする美容サロン利用調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。
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