理容師は、3名が選ばれた。「セットレスカット」に卓越した阿部勇さん、「パンチパーマ」の定着に貢献した泥谷良一さん、「ルーツセニング」を行う根津英和さんが、その技術力と後進への指導を高く評価された。
阿部勇 (あべ いさむ)氏
(70歳、新潟県、理美容室メタモルフォーゼびんしょう)
技能功績の概要
カット・パーマ・ヘアカラー・ブローなどの卓抜した技能を有している。その卓越した技能・知識を駆使して、先進的なデザイン、モダンで芸術的・時代性を取り入れたファッショナブルな様々のスタイルを後進に指導し続けてきた。
また、カットのみでスタイルを決める高度なセットレスカットも優れた技能として後進に伝えている。昭和五十六年四月に全日本綜合理美容技術選手権総合チャンピオンとなって以降、各種競技大会で後進の理容師を上位に導くなど指導・育成に貢献している。(推薦:新潟県)
泥谷良一 (ひじや りょういち)氏
(74歳、大阪府、カットハウス 良の店)
技能功績の概要
スカルプチアーカット、ボンバージュセット、レザーで、毛髪を剃りながら行う技法(彫刻)は、硬い髪型で寝にくい髪型でも寝るようになる。
また、新しい髪形で、パンチパーマ(アイロン)技法は、短髪型でも自由自在に髪型を作ることが出来る技法を開発、修得し、大阪府内はもとより、全国的にも業界の普及に努めた。
とりわけ、パンチパーマ技法には定評があり、理容関連会社と連携するなど、理容業界に「パンチパーマ」というメニューを定着させた。(推薦:大阪府)
根津英和 (ねづ ひでかず)氏
(60歳、京都府、HAIR SALON NEZU)
技能功績の概要
人の頭部には凹凸があり、凸部では毛が立ち、凹部では毛が寝ているため、頭部の形に合わせて同じようにカットをしていると頭部の凹凸がそのまま表現されたヘアスタイルになってしまうが、氏は凹凸に合わせてカットし、骨格補正を行うルーツセニングという卓越した技術を有しており、一時的ではなく時間が経っても収まりの良いヘアスタイルにすることを可能にした。
また、理容業界の技術の向上発展に尽力し、理容師の社会的地位の向上に努め、後進理容師の指導・育成に多大な貢献をしている。(推薦:全国理容生活衛生同業組合連合会=全理連)
11月5日に令和3年度の被表彰者が発表され、8日午後2時より、東京・高田馬場のリーガロイヤルホテル東京ロイヤルホールで表彰式が開催された。
理美容師を対象とする第15部門からは、根津英和氏(60歳、京都府、HAIR SALON NEZU)が代表として出席した。
「お客様の人生の手助けをできることに喜びを感じる」(根津英和氏)
親孝行したいと思ったことをきっかけに家業を継ぐことにした。修行時代は接客業の難しさに直面したが、お客様に喜んで戴けることにやりがいを感じるようになってからは、理容業の魅力に気づき技術の向上に努めた。
人によって髪の生え方や頭の骨格が異なるため、その人に合わせた補正カットを大切にしている。また、就職活動や入試の面接前に髪を整え印象を良くすることで、お客様の人生の手助けをできることに喜びを感じながら仕事をしている。
今後も技術の研鑽を重ねつつ、これまでに習得した技術や自分の経験をより多くの若者に伝えることで、後継者育成に貢献したいと考えている。
なお、卓越した技能者を表彰する「現代の名工」は、「技能を尊重する気風を社会に浸透させる」「技能者の地位および技能水準の向上を図る」「誇りと希望を持った青少年の技能労働者確保」「優れた技能を次の世代に承継していく」ことを主な目的としている。
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