無駄のないオペレーションでスマートに運営しているmotoは、サロンの雰囲気も洗練されている。カットイスは特注のスケルトンなので圧迫感がなく、店内をスッキリ見せている。
雑誌は置かずに、タブレット1台のみ。「雑誌を読みたい人もいれば、漫画や小説が読みたい人も、動画や映画を観たい人もいる。その全部に応えられます」(佐々木さん)。
この「お客様に不自由な思いをさせないように選択肢を網羅する」という考えは、決済端末機の選択にも反映されている。導入に当たり、10社以上を比較したという佐々木さんが最重視したのは「あらゆる決済方法に対応していること」。
ステラターミナルはクレジットカード、電子マネー、コード決済など30種類以上に1台で対応している。
「感動は、トータルで決まる」というのが、佐々木さんの持論。
「雑誌ではなくタブレットが用意されているとか、キャッシュレスで便利でスマートだとか。お客様はそういうもののトータルでサロンを評価していると思うんです。ティッシュケースや店販品も、直感的にかわいいと思えるものをそろえています」。
キャッシュレス決済の導入に二の足を踏む理由として、よく挙げられるのが手数料の負担。佐々木さんはもったいないと思わないのだろうか。
「手数料を惜しむくらいなら、他を削った方がいいですよ。これからサロンをオープンするなら、メニューの原価計算にキャッシュレス決済の手数料も考慮するといいと思います」
「それに10社以上で比較検討しましたが、ステラパック(ステラターミナルを利用するためのパッケージプラン)の手数料は安いと思います」
ステラパックは、Visa、Mastercardの決済手数料が業界最安水準。入金サイクルは最大月6回の2営業日払いで、三井住友銀行口座なら振込手数料0円となっている。
motoのキャッシュレス利用がスムーズなのは、オーナーも顧客も若いからだと思いがちだが、「人生密着サロン」をうたうmotoは、独立前からの長いつきあいのお客様が多く、利用客は若い人に限らない。
「うちのお客様だと80代、90代の方もクレジットカードでお支払いされます。年代が高いとクレジットカード、低いと電子マネーが多いといった違いはありますけど」
サロン全体でのキャッシュレス決済の割合は、クレジットカード60%、電子マネー30%、コード決済10%。
「コード決済は1割ならいらないと思うかもしれませんが、これから先を考えたら増えていく決済だと思います。手数料の負担よりも、それを使いたいお客様が使えないことのデメリットの方がずっと大きいですよ」
経済産業省が2020年1月に発表した資料「キャッシュレスの現状および意義」によると、主要各国のキャッシュレス決済比率が40~60%なのに対して日本は20%程度(当時)。これを「2025年までに約40%へ、将来的には世界最高水準の80%を目指す」というのが国の方針だ。
キャッシュレス決済を導入する中小・小規模事業者の資金繰りを支援するため、日本政策金融公庫による低利融資制度を創設するなど、キャッシュレス推進へ旗を振っている。
「現金払いだけというのはもう今の時代に合わないし、キャッシュレス決済が使えなくてお客様に不便をかけたり、古くさいと思われたりするのは、これからは死活問題になると思います」
「コロナが収束したら、海外のお客様だって増えていきます。うちは近くに語学学校があるので、そこの生徒さんが銀聯カードを使いますよ」
これから先のことも見すえた佐々木さんのスマート経営。客単価1万円超、店販比率10%超、キャッシュレス決済60%超という次世代サロンの行く末が楽しみだ。
stera terminal(端末機)
・カード、電子マネー、コード決済あわせて30種類以上に1台で対応
・デュアルスクリーンで、非接触決済が可能
・コンパクトで省スペース
※幅約11㎝×奥行き約27㎝×高さ約10㎝
・タッチパネルと音声ガイドで簡単操作
・レシート用プリンターを内蔵
・電子サイン対応で紙伝票を削減
stera pack(パッケージプラン)
・最安水準の決済手数料率
※Visa、Mastercard初年度2.8%(2年目以降2.7%~2.9%)
※その他カードや電子マネー、コード決済は3.25%
・初期コスト0円。月額3300円(税込)のサブスクモデル
・レシートのロール紙無料
・販促・集客アプリ「おみせポケット」搭載
※来店スタンプやクーポンを発行できる。追加オプションでPOSレジなどの機能拡張も可能
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stera pack
構成・編集/大徳明子 撮影/上米良未来