ミルボンが手がけるBtoBtoCのECサイト「milbon:iD」。
2020年6月のサービス開始から1年で登録店舗数は約2000店となり、登録会員数は計画を1万人上回る約7万人に達した。
従来の商慣習を維持したECサイト
milbon:iDは、実店舗でカウンセリングを行い、売り上げは美容室に計上するという、従来の商慣習を維持したオンラインプラットフォーム。
「2023年に登録サロン5000店舗、店販品のEC化率15%」を掲げ、2020年6月1日付でサイトを開設した。
登録サロンは1年で約2000店
サービス開始時の登録サロンは約450店舗にすぎなかったが、3カ月後の9月末には1100店舗となり、2020年末に1000店舗という目標を倍速で達成。
その後、2021年末に3000店舗を掲げ、2021年6月末時点で約2000店舗まで来ている。
会員数急増で約7万人
登録会員数(一般消費者)については、2021年末に6万人という当初計画に対し、2021年6月末時点で約7万人と、目標を大きく上回って達成した。
2020年末時点では約2.7万人だったが、コロナ禍で社会全体のECサイト利用が進んでいることもあってか、同社の想定を上回るスピードで伸びている。
EC化率は5.5%に
milbon:iDで購入できるのは、プレミアムブランドと位置づける「オージュア」「グローバルミルボン」「ヴィラロドラ」と、コーセーとの共同開発品である「インプレア」。
ミルボンでは、この4ブランドの売上※におけるmilbon:iD経由の売上比率を「EC化率」と呼んでおり、EC化率は2020年末の1.5%から2021年6月末には5.5%へと順調に伸びている。
※大型サイズやサロンケア用品をのぞく
機会損失なくし、リピート促進
消費者からすると、サロンで買ったシャンプーを使い切るタイミングと美容室に髪を切りに行く予定は必ずしも一致しない。
ミルボンの調べによると、店販を購入した人の6割がリピートをせず、そのうち3割は「美容室に買いに行くのが面倒」という買場ストレスが理由となっている。
来店タイミングに左右されずに店販品を購入できる仕組みを整えることで、機会損失をなくしリピート購入を増やすのがmilbon:iDの狙いだ。
2023年の目標である「国内店販品のEC化率15%」は、実現すればEC売上としては18億円、エンドユーザーの購入金額に換算すると40~45億円の規模。ここまでは順調に来ており、トップメーカーの挑戦は今後も目が離せない。
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