美容室チェーン大手のアルテサロンホールディングスは、昨年12月22日の売上高が1億1000万円を超え、1日の売上高として過去最高を更新した。
また、主力ブランド「Ash」を運営する株式会社アッシュ単体の年間売上が、初めて100億円を超えたことを明らかにした。
成長の軌跡。店舗数は300店舗に
アルテサロンホールディングスは、創業者の吉原直樹会長が、1986年、横浜市神奈川区に美容室「ヴィクトリア」を開業。おもちゃ屋の入ったビルの2階、10坪のサロンに従業員3名から始まった。
2年後の1988年に有限会社アルテを設立。年度末の店舗数は3店舗、チェーン売上高は1400万円だった。
その後、1997年にAshブランド第1号店を開店、2004年にJASDAQ上場を果たす。
2005年に「ニューヨーク・ニューヨーク」と業務提携し、2006年に「スタイルデザイナー」を買収。2011年には、カット&カラーを低価格で提供する「Choki Peta」を開業と、着実に事業を拡大。
2017年12月末時点で、グループ店舗数295店舗、チェーン売上高174億8000万円、グループスタッフ数2700名、FC加盟222社のメガチェーンとなっている。
さらに2018年10月3日に出店したAsh 新小岩店をもって、グループ店舗数は300店舗に到達した。
2018年12月期の決算は、過去最高額となる見込み。
アルテサロンHD傘下サロンの動向
また、アルテサロンホールディングスは決算発表に先駆け、サロンの動向を発表した。
デザイン系サロンはカラー好調
グループの中核を成すデザイン系サロンについては、次の通り。
◆Ash
イルミナカラーを始めとするワンランク上のカラー剤を使用したヘアカラーが引き続き好調。
ブリーチによる傷みを軽減するケアブリーチ商材が登場し、これに伴い、カラーテクニックを駆使したデザインカラーが人気となった。
その他、トリートメントや縮毛矯正などのキャンペーンによるメニューアップ施策や集客ツールを活用した新規獲得施策などが好調の要因となった。
◆NYNY
Ash同様にカラーメニューが人気だった。
新人教育のカリキュラムを見直すことで男性客向けの施術技術の習得を早め、来店客数の増加や男性向け商品の販売増加につながった。
メンテナンス系サロンは15店舗を新規出店
低価格サロンのニーズ増加を踏まえて近年力を入れているメンテナンス系サロンについては、次の通り。この形態は、主に首都圏エリアのショッピングセンターなどで15~18坪程度の店舗を展開している。
◆Choki Peta
カットとカラーを基本としたシンプルなメニューをエコノミープライスで提供するメンテナンスサービスのニーズに応え、2018年は15店舗を新規出店した。
また、出店スピードを加速するため、教育ツールや管理システムの導入などハード面を強化し、今後のさらなる多店舗展開に向けた取り組みを実施した。