2021.06.29更新(2021.6.11公開)
※ビューティガレージは2021年6月28日付で決算の一部訂正を発表。営業利益、経常利益は100万円増、純利益は400万円増に修正された。
ビューティガレージの2021年4月期連結決算は、売上高が前年同期比24.6%増の195億9700万円、営業利益が37.1%増の10億100万円。コロナ禍で美容業界のデジタル化が加速する中、大幅な増収増益を達成した。
目次
ビューティガレージの2021年4月期決算
業界のデジタルシフトを追い風に新規会員数が増加し、既存会員を含めた全体の取引も活発化。
累計登録会員口座数は前年より5万6000ほど増えて48万7762口座に、購入顧客件数は22万件ちかく増えて97万1607件となった。
2021年4月期(2020年5月1日~2021年4月30日)※連結
■売上高
195億9700万円(前年同期比24.6%増)
■営業利益10億円(同37.0%増)
→10億100万円(同37.1%増)
■経常利益10億7900万円(同44.5%増)
→10億8000万円(同44.6%増)
■親会社株主に帰属する当期純利益6億5000万円(同59.3%増)→6億5400万円(同60.4%増)
※包括利益 6億7400万円(同69.2%増)
→※包括利益 6億7500万円(同69.4%増)
セグメント別の業績概要
業績をセグメント別に見ると、主力の物販事業が3割増の155億9100万円へと急伸。店舗設計、その他ソリューション事業も前年実績を上回った。
(1)物販事業
■売上高
155億9164万8000円(前年同期比30.0%増)
■セグメント利益7億8002万円(同27.5%増)
→7億8080万円(同27.6%増)
|化粧品・材料比率が50%突破
物販事業では、2つのシンボリックな節目を迎えた。ひとつは化粧品・材料比率が50%を超えたこと、もうひとつはモバイル経由の売上がパソコン経由を上回ったことだ。
2003年に中古機器の販売で創業したビューティガレージだが、今では中古品・アウトレット品の売上高は、物販事業全体のわずか1%。
化粧品メーカーの取引先が年々増加しており、今回ついに化粧品・材料比率が51.3%(NBブランド42.2%+PBブランド9.1%)となり、物販事業の半分以上を占めるに至った。
|モバイル経由がパソコン上回る
物販事業の販路別構成比では、全体の78.2%がECによる売上となっている。
大口の注文はパソコンからが多いため、売上高ではパソコン経由が一番だったが、会員数の増加に伴って徐々に差が縮まり、ついにモバイル経由の売上(42.8%)がパソコン経由(35.4%)を上回った。
(2)店舗設計事業
■売上高
33億9171万7000円(同4.5%増)
■セグメント利益
2億1360万8000円(同12.0%増)
期初は新規出店の中止・延期が相次ぎ、新型コロナウイルスの影響が色濃く出たものの、第2四半期以降は前年を上回るペースで回復。第4四半期は、四半期ベースでの過去最高売上高を記録した。
(3)その他周辺ソリューション事業
■売上高
6億1369万8000円(同24.8%増)
■セグメント利益
8173万6000円(同79.3%増)
年会費無料のビジネスカード「サロンプロフェッショナルカード」を発行。店舗リース、居抜き物件の仲介、決済支援が堅調に伸長した。
2020年度の主なトピックス
なお、ビューティガレージの2021年4月期(2020年度)の主なトピックスは、次の通り。
■2020年9月
・【物流強化】西日本ディストリビューションセンターを開設
・【ソリューション事業】美容サロン専用のクレジットカード「サロンプロフェッショナルカード」発行
・【M&A】松風および関係会社2社をグループ化
・【拠点拡大】渋谷に美容商材ストア「EXPRESSストア」オープン
■2020年10月
・【M&A】中堅美容ディーラーの和楽をグループ化
・【取引拡大】アジュバンコスメジャパンと正規販売代理店契約を締結
■2021年2月
・【CVC】オンライン学習サービス「ヘアキャンプ」に出資
■2021年3月
・【大型製品】出資先のカドーと共同開発で、ストレートヘアアイロン「BI-G1P」発売
ビューティガレージの2022年4月期業績予想
引き続き、業界全体で一層のデジタル化が進むと予測し、主力のECサイトの改善や物流、営業、サービスの強化によって「ロイヤル顧客の拡大」と「一顧客あたりの年間利用額の増加」を目指す。
2022年4月期(2021年5月1日~2022年4月30日)※連結
■売上高
230億6100万円(前年同期比17.7%増)
■営業利益13億100万円(同30.1%増)→13億100万円(同30.0%増)
■経常利益13億400万円(同20.9%増)
→13億400万円(同20.8%増)
■親会社株主に帰属する当期純利益7億9500万円(同22.5%増)
→7億9500万円(同21.6%増)
中期経営計画を上方修正
また、中期経営計画についても、数値目標を軒並み上方修正した。
「BtoB美容業界向けECプラットフォーマー」としての圧倒的な地位を確立することで、2025年4月期までに「国内美容ディーラーTOPの地位を獲得する」ことを目指す。