2025年のマーケットの「主役」!? 50代女性の「髪」へのこだわりとは?

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2025年のマーケットの「主役」!? 50代女性の「髪」へのこだわりとは?

少子高齢化社会が進む中で、人口のボリュームゾーンが変化しています。2025年には70代に次ぐボリュームゾーンとなるのが50代!

50代女性というと、華やかなバブル時代を謳歌し、新しい美容文化を作り上げてきた世代です!

今回は国の統計調査や、ホットペッパービューティーアカデミーの調査より、50代のオトナ女性の美容消費意識をご紹介します。

 

文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

①2025年の人口のボリュームゾーンは、52歳と76歳へ

なぜ50代女性に注目するのか?1つ目は「マーケットのボリューム」です。

「国立社会保障・人口問題研究所」が発表した「人口ピラミッド推移」という人口の予測データがあります。その中から、1970年と2025年(※)の日本女性の年齢別人口分布を見てみましょう。(※2025年は予測値)

女性の年齢別人口分布

1970年の人口のボリュームゾーンは22歳でしたが、2025年には大きく変化!最も人口が多い年齢は76歳、続いて52歳です。

少子高齢化の中で人口のボリュームゾーンが大きく変わっています。人口が多いということは、ターゲットとなるお客さまが多いという意味。50代が有望なマーケットの理由です。

②働く女性が7割超えで、世帯所得も高い

次のポイントは、「使えるお金がある」ことです。

国の調査では、50代女性の「労働率」(=働く割合)は50代前半で80.0%、50代後半で74.7%(厚生労働省「令和元年版 働く女性の実情」)。10年前と比べると、50代前半では7.5pt、50代後半では12.2pt上昇しています。

女性の年齢階級別労働力率

また平均世帯年収は、「美容センサス下期2020年」では50代女性の平均世帯年収は554万円。回答者女性の中では最も高い年代でした。

人口のボリュームもあり、収入もある・・・つまり、50代女性マーケットは、これからの日本では非常に魅力的なマーケットなのです。

③「バブル」の現役世代で、消費意欲が旺盛。「美しく影響力のある」50代女性たち

2021年に50代に該当するのは、1962年から1971年生まれ。日本中が沸き立った「バブル期」(1986年12月から1991年2月)を10代~20代で経験。

「ワンレン」「ボディコン」「DCブランド」といったバブルを象徴する髪型やファッションの流行。新しく華やかなファッションが切り開かれた時代を過ごしました。

「バブル世代」と言われる彼女たちは、他の世代に比べて、「前向き」で、消費意欲も旺盛と言われています。現在の10代、20代と比較して、高級・ブランド志向が高いのも特徴的です。

そして令和の50代女性の美容感度・ファッション感度の高さ。

芸能人でも松田聖子さんを筆頭に、小泉今日子さん、天海祐希さんなども50代。今もファッションや美容界にも影響力が高い方々が多いのも特徴的です。2010年から始まった「美魔女コンテスト」の受賞者の方たちも50代を迎えています。

④学生の頃に髪型・ファッションで影響を受けた1位は「松田聖子」さん!

続いて、消費価値形成に大きく影響を与えた「学生時代」の美容意識に対する質問です。

「あなたが学生の頃に自身の髪型・ファッション・メイクに影響を受けた有名人は?」という質問に対し、圧倒的な1位は「松田聖子」さん。

松田聖子さんのデビューは1980年。デビュー時の髪型の「聖子ちゃんカット」は、社会現象にもなるほど。女子学生が一斉に真似をするなど、「髪型」が大きな流行を作り出しました。

50代女性は学生の頃から髪型に対して非常に高い意識をもっていたことが分かります。

⑤お金をかけたいポイント、1位「髪型」


そんな50代女性の「美容でお金や時間をかけて改善したいポイント」の1位は、2020年も「髪型」です。

改善・維持のために、お金や時間を使いたい?

50代女性はコロナ後も、「髪型」に高い改善意向を持っています。

コロナ禍でも「髪型」が前年比アップしている背景には、コロナで美容室にこれまで通り通えない人もいる中で、

「来店頻度があいてまとまりづらくなった」「髪をメンテナンスしたい」という思いなどから、より一層髪型への関心が高まっていることが考えられます。

若い頃から髪型に対する意識が高く、現在の改善意向も高い。加えて世帯所得も高い50代女性のマーケットは大きそうです!

⑥白髪の悩みは50代がピーク!約7割に達する

最後に「白髪」の悩みのデータを見てみましょう。

白髪に対する悩み

白髪の悩みがもっとも高い年代は、まさに50代。「悩みを感じる」と答えた50代女性は、なんと69.1%で、約7割に達します。

しかも2019年から2020年にかけては、66.1%→69.1%と、前年と比べてもスコアが上昇しているのです。

⑦コロナ禍での50代女性のニーズ発掘とは?

実は50代女性の美容室でのカラー利用率は、約45%(白髪染め・オシャレ染め含む※)。「白髪に悩む女性」が約7割に対して、ギャップがあることに気づかれたのではないでしょうか。

悩んではいるけれど、「美容室でどうオーダーすれば良いか分からない」「わざわざ美容室に行くのは気を遣う」という50代女性の声もあります。

コロナ禍では、気軽に白髪染めができる「カラー専門店」が好調なようです。

美容室に行くのはちょっと「構えてしまう」けど、ホームカラーは面倒だし、色ムラがあったり、色持ちが良くなかったりと、上手に出来ない。カラー剤の汚れも気になるといったお客さまの支持を集めていると聞きます。

若い頃から新しいファッションや髪型の文化を作り上げ、今も美容感度の高い50代女性。これからの日本の美容・ファッションマーケットを担うボリュームゾーンです。

実はまだまだ開拓の白地が大きいように感じます。美容室が、50代女性のニーズや悩みに寄り添い、「より美しい50代へのお手伝い」をご提案することで、市場はますます大きくなりそうです。

※美容センサス2020年上期より算出。「1年以内の美容室利用率」×「1年以内の美容室でのカラー利用率」

ホットペッパービューティーアカデミー研究 田中 公子さん

田中 公子

ホットペッパービューティーアカデミー研究員

TANAKA KIMIKO/ホットペッパービューティーアカデミーの調査研究員として、2012年から活動。「美容センサス」をはじめとするカスタマーの美容サロンに対する利用行動・意識調査や美容消費の兆しを発信。セミナー講演、業界誌・一般誌・TVなど取材多数。共著に『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか。

データ出典
「美容センサス2020年下期<資料編>」
〇ホットペッパービューティーアカデミー
https://bit.ly/3oJHXPz

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