1000円カットは安かろう、悪かろう――。そんなイメージを払拭する、水を使わない「省資源 理美容」という看板をキュービーネットホールディングスが掲げる。
美容業界ではいち早く、持続可能な社会の実現へ向けて「SDGsの特設ページ」をオープン。クシの再利用もスタートした。
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「水を使わないから省資源」 SDGs訴求でイメージ転換
QBハウスでは髪を切った後に洗い流さず、エアウォッシャーで吸い取るというのは、よく知られた話。
安い・早いをかなえる合理的なシステムだが、「粗雑に扱われているようで、だから1000円カットには行きたくない」という人も少なくない。
しかし、見方を変えれば、水を使わないエコロジーなシステムでもある。キュービーネットホールディングスでは、「水を使わない省資源 理美容」「サステナビリティな仕組み」という良いイメージへの転換に乗り出した。
同社の試算によると、ヘアカットのみに特化し、シャンプー・ヘアカラー・顔剃り・パーマを省くことで、年間で約13億リットル超の水を節約しているという。
コーポレートサイト内にSDGs(エスディージーズ)ページを新設し、持続可能な社会の実現に取り組む姿勢をつぶさに紹介。一般消費者や理美容師の理解・共感を得ようと努めている。
「働きがいのある人間らしい仕事」を実現
「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)を意味するSDGsは、エコロジーな取り組みだけでなく、経済成長や技術革新、働きがいなど、社会が持続していくために必要な17の目標を掲げている。
キュービーネットホールディングスによると、水を使わないので手荒れしにくいことや、休日が取得しやすく働きやすい環境の整備などにより、QBハウスはディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進しているという。
実際、SDGsページからダウンロードできる資料を見ると「勤続年数10年以上が750名」「休日の取得は日曜がトップ。本当に日曜に休みやすい」「スタイリストの平均年齢が40.1歳と、業界平均よりも高い」など、働きやすい環境であることが数字の裏づけと共に示されている。
「くしをリユース」 CO2排出量を年間659トン削減
また同時に、2021年5月1日から、国内全店でクシのリユース(再利用)を開始。これにより、CO2排出量が年間659トン削減されるという。
使ったクシ(ポリプロピレン製)を無料でプレゼントするというのは創業から続くサービスだったが、コロナ禍では衛生面への配慮から産業廃棄物として処理していた。
今後は「使用後に消毒して再利用」することで、衛生面と環境面(廃プラ問題)の問題を解決する。
「LESS IS MORE」 省力・省手間・省時間のチカラ
キュービーネットホールディングスでは「LESS IS MORE」、余計や無駄を省き、本当に必要なクオリティだけに集中すれば、人も暮らしも豊かになるという価値観に基づいて企業活動を行っている。
今後もQBハウスの特徴である省力・省手間・省時間のスタイルで、持続可能な世界の実現を目指し、新しい時代に向けた取り組みを進めていく考えだ。
SDGsページ(キュービーネットHDコーポレートサイト)
→http://www.qbnet.jp/sdgs/