田谷は2021年4月28日付で、本社ビルの売却および9月の本社移転を発表した。
同日発表の2021年3月期決算では、営業利益がマイナス12億6400万円の赤字決算だったが、本社ビル売却により約23億円の譲渡益を見込む。
約100坪の大ホール備える本社ビル
この本社ビルは、東京オリンピック開幕日の1964年10月10日にオープンした「田谷哲哉美容室」を始まりとする田谷が、シドニーオリンピックの行われた2000年に竣工したもの。
前年の1999年に、東京証券取引所第二部へ上場。本社ビル竣工の翌年、2001年には第一部へ市場変更を行い、美容室を主体とする企業としては初めての東証一部上場を果たした。
当時の勢いを体現するかのような本社ビルは、JR山手線・原宿駅、東京メトロ銀座線・外苑前駅どちらからも徒歩10分程度の好立地。ショーやシアターにも使える98坪の大型ホールを備えている。
譲渡益は約23億円、手元資金を確保
譲渡先・譲渡価額は非公表だが、帳簿価額は11億円で、譲渡益は約23億円の見込み。譲渡益は2022年3月期第1四半期に計上される。
田谷は業績不振や巨額の赤字で資金繰りを不安視される状況にあったが、本社ビルの売却によって当面の手元資金を確保できる見通しが立った。
今年9月、代々木に移転
本社移転は今年9月を予定。移転先は、JR山手線・代々木駅から徒歩1分の南新宿星野ビル8階および9階となる。
コロナ禍で本社社員の勤務形態が変わり、オフィス面積を大幅に縮小しても業務に支障はなく効率的であると判断したという。同社では、今後もテレワークを始めとした多様な働き方を推奨していく。
現・本社ビル
所在地:東京都渋谷区神宮前二丁目18番19号
土地面積:792.16 ㎡
延床面積:1903.41 ㎡
新・本社ビル
東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目23番13号 南新宿星野ビル 8・9階
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