浦さやかインタビュー③ いろいろなカタチが集まったサロンに

特集・インタビュー
浦さやかインタビュー③ いろいろなカタチが集まったサロンに

有名美容師や異業種のプロフェッショナルが、愛用品とその思い出について語る「千一夜モノ語り」。
第2夜は、独自の感性が光り、突き抜けた印象を与える、otope(オトペ)の浦さやかさん。カラフルなヘアとキュートな人柄の浦さんは、業界内を問わず熱烈なファンが多いことでも知られます。
愛用品には、人柄や生き様が表れるもの。今年11月、原宿・明治通り沿いにサロンを拡張移転した浦さんに、これまでの道のりと共にあった愛用品、今後の展望を聞きました。

⇒千一夜モノ語り 浦さやかの愛用品 ①前編 ②中編 ③後編

千一夜モノ語り 第2夜 (後編)

美容室としての機能性も意味があった

──FLOWERS、otopeを合わせて13年を過ごした表参道から、今回、原宿に移ったのはなぜですか?

スタッフは10代後半から20代なので、客層を考えると原宿がマストでした。元々、後輩がスタイリストデビューできるように広いところへ移ることにしたんです。

otopeはスタイリストが私1人で、ジュニアスタイリスト1人、アシスタント2人でしたが、今はスタイリスト3人、アシスタント4人に増えました。

──以前は、アパートの一室にあるアトリエのような雰囲気のサロンでしたが、今回の移転でかなり広くなりましたね。

3倍の広さになったので、席にも空間にも、ゆとりができました。

otopeをつくった時は、初めての自分のお店だったので、理想と美容室としての機能性にズレがあったんですよね。

──美容室としての機能性とは?

あまり美容室っぽくしたくなかったので、以前は、姿見と普通のラウンジチェアを使っていました。でも今度はセット面にしたので、テーブルがあって便利。当たり前で単純なことなんですけど、そういうところです。

イスは移転の少し前からセットイスにしていました。お客様が本当は疲れているんじゃないかと気になっていたのですが、今は長時間の施術でも、ゆったりと座っていてもらえるので安心です。

セットイスだってotope流に!

otopeのセットイス

アームの木目をセメントで消し、白いペンキを塗ってカスタマイズ。深いグリーンのスタイリングチェアは、ヴィンテージシリーズ、奥の白いチェアはアーバンシリーズ

──このセットイスは、アーム部分に手を加えています。

アームが木材なんですけど、サロンは無機質な空間にしたかったので、セメントで木目を消し、その上から白いペンキを塗りました。

美容室に多い自然の素材や中間色が、otopeには、ほとんどありません。真っ白と原色が好きなんです。サロンは真っ白。私やスタッフ、お客様が原色。その中で、セットイスは背もたれまで全部白いものと、この深いグリーンのものがあって、ちょうどいいアクセントになっています。

──浦さんは、自身で体験したり工夫したりすることを大切にしているんですね。

普通は最初からわかっていることを「なんか大丈夫な気がする!」「意外といけるかも!」と思ってやっちゃう。それで「やっぱりいけなかった」みたいなことがたくさんあります(笑)

otopeをオープンしてからの3年間に、いろいろやってみては止めました。もうね、トライ&エラー、エラーです。

専用品というのは、ちゃんと考えられてそうなっているんだなということに気づいたのも、そのひとつです。

お客様のストレスになっているのではと思うこと、そう気にすることでのストレスが結構大きくて。それが消えたので、毎日やることは多いけど、スッキリした気持ちで仕事ができています。

誰かみたいになることなんて、誰にもできない

浦さやかインタビュー後編

「それぞれの面白さがある人たちがいるというのが面白いんです」

──これから、どんなサロンを目指していきますか?

今はスタートしたばかりなので、私の理想に近い。でも、スタッフみんなが私みたいなタイプになる必要はない。それぞれ個性が際立っているので、見極めて伸ばしていけたらいいなと思っています。

それぞれの良さを尊重するってよく耳にしますが、ぼんやりした言葉だと思う。もっとここが立つようにと深掘りして、それぞれの面白さがある人たちがいるというのが面白いんですよ。

ただ、個性や面白さを求められるのは結構なプレッシャーだと思うので、強く求めるつもりはないです。

──浦さんみたいになりたいと憧れて入るスタッフもいるのでは?

誰かみたいになることなんて、誰にもできないと思います。私も誰かになりたいと思ったことはありません。真似する必要なんてない。私はあくまで一例。ただ、テンションというか、そういうのだけ感じればいいと思う。

otopeにはモノ好きな人が集まっているので、そのうち主張が出てくると思う。そこを拾って、何か面白いことができればいいかな。

可能性をつぶさないようにして、いろいろなカタチが集まったサロンに変化していけたらいいなと思います。

千一夜モノ語り 第2夜 浦さやかの愛用品
①前編/浦さんの美容師エプロン
②中編/iPad Pro+Appleペンシル
⇒③後編/自分でリメイクしたセットイス

関連アイテム
・浦さんがカスタマイズした深いグリーンのスタイリングチェア⇒ヴィンテージシリーズ
・奥の白いチェア⇒アーバンシリーズ

■浦さやか(うら・さやか)
otope(オトペ)代表。1979年、長崎県生まれ。都内のヘアサロン1店舗を経て、2005年に「FLOWERS」の設立に参画し、ディレクターに就任。2015年「FLOWERS」のセカンドブランド「otope」を立ち上げ、代表に就任。独特の感性を生かした斬新なデザインが人気で、業界内外に熱烈なファンを持つ。サロンワークを中心に、一般誌や業界誌の撮影、セミナー、ヘアショー、商品開発など、幅広い分野で活躍している。

■otope(オトペ)
http://otope-930.com/
Instagram:urarararaura(個人アカウント)、otope_930(otopeアカウント)
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目5−6 サンポウ綜合ビル301号室
TEL:03-6712-6046 

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