コロナ禍でビジネスモデルの転換を図る中小企業・個人事業主を支援する「事業再構築補助金」。いよいよ4月15日より申請受付がスタートします。
予算総額1兆1485億円、1社あたりの補助金交付額100万円~1億円という大規模な補助金とあって話題ですが、わかりにくい点も多いため、今回は編集部がコラム風にお届けします。
目次
「売上減かつ新事業に挑戦」が条件
コロナ禍で苦戦する中小企業を支援するため、昨年度は「持続化給付金」がありました。
同様にサポートのための予算ではあるのですが、給付ではなく〝成長に向けて挑戦する企業への補助〟に主眼を置いたのが今年度の「事業再構築補助金」です。
このため、ザックリ言うと
①売り上げが減少していること
(3カ月間合計売上高が前期または前々期よりも10%以上減少)
②事業の再構築に取り組むこと
(新分野の展開、業態の転換、事業・業種の転換など)
③専門家と策定した達成見込みの高い事業計画
が条件となっています。
補助額は100万円~1億円
「事業再構築補助金」は、中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合のいずれも対象で、補助額は100万円~1億円と幅広く設定されています。
中小企業 | ||
補助額 | 補助率 | |
通常枠 | 100万円~6,000万円 | 2/3 |
卒業枠 ※ | 6,000万円超~1億円 | 2/3 |
※400社限定。中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠
中堅企業 | ||
補助額 | 補助率 | |
通常枠 | 100万円~8,000万円 | 1/2 ※1 |
グローバルV字回復枠 ※2 | 8,000万円超~1億円 | 1/2 |
※1 4,000万円超は1/3
※2 100社限定。業績悪化率がより深刻な企業による成長性の高いグローバル事業の特別枠
第1回締切は4月30日、公募は複数回予定
3月26日に公募要領が発表され、4月15日に申請受付をスタートする「事業再構築補助金」ですが、第1回締め切りは半月後の4月30日です。
そんな短期間では無理と思った方もご安心ください。令和3年度(2021年度)に複数回にわたって公募すると発表されています。
助成金・給付金と補助金の違い
「事業再構築補助金」は〝補助金〟です。助成金や給付金は基本的に条件を満たしていれば受給できますが、補助金は審査をクリアして採択された場合のみ支給されます。
例えば、「美容室とエステティックは別事業なので、事業再構築補助金を申請できます」といううたい文句をよく見ますが、これは申請ができるというだけで、エステを始める美容室なら必ず受給できるという意味ではありませんのでご注意ください。