現場の声で「トラブルの火種」防ぐ
── スタッフの男女比はどんな感じですか。
ちょうど半々です。結婚や出産をしても働き続けてくれるスタッフが多いんです。会社の目標にも「女性の待遇強化」を入れていて、最大18万円を支給する「ママ復帰支援金」があります。
スキルを上げたい人にはセミナー代支給の特典、海外に興味を持っている人にはオンライン英会話無料制度、独立したい人への支援制度など、それぞれに合わせた待遇を用意しています。
── 正社員に業務委託、男女半々で年代も幅広いとなると、多様性があるだけに問題が起こることもありませんか。
特に新しく入ってくるメンバーからすると会社やお店の雰囲気は一番気になるところでもあると思うので、いびつな力関係や良くない風土で仕事がしづらくないように、楽しく仕事ができるように、みんなの生の声が上がってくる仕組みをつくりました。
定期的に全メンバーにGoogleフォームでアンケートをとって、不安や不満が放置されない組織体制をつくる努力をしています。
サロンを2ブランドに集約
── これまでさまざまな店名で展開していたサロンを、昨年「number」と「newi(ネウィ)」に集約しました。どういう狙いがあるのですか。
今はメディア先行の時代です。storageはマーケティングやPRに力を入れているので、ブランドが統一されている方がより効果が出るのではないかと判断しました。
── それぞれ、どのようなブランドなのですか。
「number」は、流行のカラー材や関連する薬剤を数多く取りそろえ、お客さまのあらゆるカラーの要望に幅広く応えることができるブランドです。ケラスターゼ導入店でもあり、薬剤の講習を定期的に行っています。
「newi」はヘアケアのセレクトショップをコンセプトとしたブランド。10代~50代まで幅広い年代の方が関心を持っている“ヘアケア”に力を入れていて、リミテッドやイノアカラー、オッジィオットなどの高級商材を多くそろえています。
アート集団と新たな挑戦
── 意欲的な挑戦が続きますね。近々、店舗や駅に壁画を描くアート集団・株式会社OVER ALLsと協業するそうですが。
ビューティシャン達は日々お客さまへデザインを提供しているアーティストですし、働くお店はアートが生み出される場所でもあります。
そんな美容とアートの親和性の高さをずっと感じていたので、今回アートの企業であるOVER ALLsさんとコラボレーションして、BEAUTY×ARTで面白いことをしていくことになりました。詳しくは後日発表します。
この提携もビューティシャン達の美容の可能性を無限大に広げる取り組みの一環です。これからも面白そうなことや美容業界の問題解決になることにどんどんチャレンジしていきたいです。
── 「こうご期待!」ということですね。詳しい発表を楽しみにしています。
倉崎淳平(くらさき・じゅんぺい)
株式会社storage代表取締役
大分県出身。高校卒業後に上京し、飲食やアパレルなど様々な仕事や店舗経営を経験。その後、業務委託サロンを共同経営で立ち上げてヘアサロン事業に参入。2017年に独立し「美容×WEB×英語」をコンセプトに掲げた株式会社storageを立ち上げる。2021年2月現在、直営とFC合わせて国内22店舗、海外3店舗を展開。
→storage公式サイト(美容師向け)
構成・編集/大徳明子 ライター/外山武史 撮影/山田星太郎