シェアサロン大手「GO TODAY SHAiRE SALON」(以下、GTSS)とネイリスト直接予約アプリ「Nailie」(ネイリー)がタッグを組みます。ネイリストのシェアサロン利用が急速に進むことが予想されますが、元々の利用者である美容師との間には、どのようなシナジーが生まれるのでしょうか。
2021年2月17日付で業務提携を発表した株式会社GO TODAY SHAiRE SALONの大庭邦彦代表と、その大庭さんが“同志”と呼ぶ株式会社ネイリーの浅倉健吾CEOに今後の展望を聞きました。
美容師とネイリストが互いに送客
── シェアサロン「GTSS」とネイリスト直接予約アプリ「Nailie」の提携が始まります。どのような提携になるのでしょうか。
大庭 「Nailie」に登録しているフリーランスや独立を希望するネイリストに、ネイル専用個室のある全国の「GTSS」店舗を紹介し、好立地で設備の充実した働きやすいシェアサロンを提供します。
浅倉 お客さまにとっては、同じ場所でヘアもネイルもできるので便利ですよね。「GTSS」と「Nailie」は客層が重なるので、すごくいい提携になると思います。
大庭 「GTSS」としてはネイリストの利用者が増え、「GTSS」を利用する美容師にとってはネイリストと互いの顧客を紹介しあう送客が見込め、お客さまにとってはサロンの利便性や価値が高まることになると考えています。
── 対象となる店舗の数はどのくらいですか。昨年8月、カルチュア・コンビニエンス・クラブやベンチャーキャピタルから10億円の資金調達に成功し、今年は出店が続くそうですね。
大庭 まずは4~5月に東京・銀座、大阪・梅田、名古屋へ出店します。この3店も含めた全国6店舗で、それぞれ1ブースか2ブースをネイリストやアイラッシュアーティスト向けにしていきます。
コロナ禍で需要高まる半個室型
── コロナ禍の生活も1年以上が経ちました。ネイル業界には、どのような影響がありましたか。
浅倉 ネイル業界は外出自粛の影響をとても受けていて、月の売上が30%減、40%減なんてこともよくある話です。毎月サロンに通うヘビーユーザーはそうでもないのですが、年に2~4回のライトユーザーはイベントなどに合わせた利用が多いため、この層が大きく減りました。
「Nailie」としては、ネイル業界の回復のためにいろいろな試みをしているところです。今回の提携もその一環ですね。「またネイルをしてみようかな」と多くの方に思ってもらいたいです。
── 美容室へのコロナの影響はどうでしょう。
大庭 地域差や街中か郊外かによる差はありますが、業界全体としてはあまり影響がありませんでした。昨年4月の緊急事態宣言のときはさすがに売上が落ち込みましたが、現在はほぼ戻っています。
特に「GTSS」はセット面とセット面の間に仕切りがある半個室で、ブース同士の距離もゆったり取っていて密になっている感じがまったくないので、美容師もお客さまも安心してサービスを受けられる点がコロナ禍で支持されていると感じます。
ネイルサロンの多くは店舗が狭いせいか、ちょっと密になっているイメージがあります。「GTSS」の店舗を安心して使ってほしいですね。