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りらくる創業者・竹之内教博氏 広大な出張型リラク市場を切り拓け! セラピストマッチングアプリ「HOGUGU」がつくる未来

このコロナ禍で、自宅で受けられるサービスが注目されています。出張型リラクゼーションサービスの需要が本格的に拡大するか否かの節目にある今、台風の目になりそうなのが、出張セラピストと利用者をマッチングするスマホアプリ「HOGUGU」。

仕掛け人である株式会社HOGUGUテクノロジーズの代表を務める花岡賢一氏と、同社の出資者で美容師からリラクゼーションサロン大手「りらく」(現・りらくる)の創業者となった竹之内教博氏に、「HOGUGU」の優位性やその可能性、さらに経営者としての心得などを聞きました。

全米展開の成功モデル

── コロナ禍で店舗型ビジネスが苦戦する一方、出張型リラクゼーションサービスは時流に乗っています。「HOGUGU」を知らない読者のために、まずはその特徴を教えてください。

花岡:ひと言でいうと、セラピストとユーザーをつなぐマッチングアプリです。私はこれまでもリラクゼーションビジネスを手がけてきたのですが、お客さまの多くは、店舗ではなくセラピスト個人に付きます。だから、セラピスト個人とユーザー個人をつなぐサービスがあれば喜ばれるんじゃないかと思っていたんです。

実際、アメリカにはセラピストとユーザーのマッチングアプリがあります。しかも全米に展開する規模で成功している。日本もいずれ同じようになると感じましたし、それなら自分が最初にチャレンジしたいと考えました。

「日本でも成功するビジネスモデル。自分が最初にチャレンジしたい」(花岡社長)

── 日本には似たようなアプリやサービスはなかったのでしょうか。

花岡:もしかするとあったのかもしれませんが、仮にIT企業がマッチングアプリを開発したとしても、セラピストを集められないのではないでしょうか。私も出資者である竹之内もリラクゼーションビジネスを経験しているので、そこで培った人脈が強みになっています。

セラピストの安全に徹底配慮

── セラピストは女性が多いですし、個人宅へ出張することに不安を覚えそうですが。

花岡:そこはしっかり対策しています。「HOGUGU」は、運転免許証やパスポートなど身分証の画像をアップロードしなければ利用できません。それに加えて電話番号認証で携帯電話会社のチェックもクリアしているため安全性は担保されていると考えています。

竹之内:「HOGUGU」は通常の出張マッサージよりも安全だと思います。というのもやはり免許証を出していることが大きい。危険な目にあったという声は聞いたことがないですね。問題のあるユーザーについては、セラピスト同士で情報共有しています。ユーザーがリクエストしてもセラピストが承認しないとマッチングしないので、決定権はセラピストの側にもあるのも安心要素です。

「マッチングの決定権はセラピストにある」(竹之内氏)

人数と質がビジネスの生命線

── セラピストやユーザーの内訳はどのような感じですか。

花岡セラピストは7割が女性、3割が男性です。フリーランスが半分を占め、あとは店舗にお勤めの方やリラクゼーションサロンの経営者もいますね。ユーザーは9割が男性ですが、徐々に女性のユーザーも増えています。

ライフスタイルに合わせた働き方を提案するHOGUGU

── セラピストはどのように選抜していますか。

花岡大手リラクゼーションサロンで10年以上経験を詰んだベテランセラピストが、実技のチェックと面談をしています。本社のある大阪を中心に東京でも面談を行っていますが、一定の規模を超えたら、全国のセラピストがある程度自由に登録できるようにします。

このビジネスは、セラピストの登録人数とその質が生命線。登録のハードルが下がったとしても、実技チェックなどをクリアしたセラピストには「認定マーク」を発行するなどして区分けし、技術レベルを担保していくつもりです。

セラピストの働き方を改革

── 出張型セラピストビジネスの市場規模はどのくらいなのでしょうか。

花岡:出張型の市場データはこれといったものがないので答えづらいのですが、ただ、店舗型のリラクゼーション市場はとてつもなく大きいんですよね。わずか数年で何百店舗というスピードで拡大する会社もあるほどです。今は店舗に通っているユーザーが「HOGUGU」を知ったらどうなるか楽しみです。

竹之内自宅でサービスを受けられるようになると、ユーザーのリピート頻度が高くなります。例えば、月1回店舗に足を運んでいたユーザーが、自宅の場合は2回、3回に増やす傾向にある。また、自宅なら施術を受けた後の心地よい状態のまますぐに寝られるというのも大きな魅力だと思います。

「空き時間、スキマ時間を使って自由な働き方を実現してほしい」(花岡社長)

── セラピストにとっては、育児や家事の合間に働いたり、店舗の仕事が終わってから夜は「HOGUGU」で稼いだりなど、柔軟な働き方ができそうですね。

花岡:空き時間、スキマ時間を使って自由な働き方を実現してほしいと思っています。「セラピストの働き方改革」とまさに今打ち出しているところです。

竹之内店舗型と比べると客単価が高いのも特徴です。リーズナブルな店舗の場合は平均単価が3500円くらいですが、「HOGUGU」は1万円くらいです。そのうち25%を手数料として本部に払うので75%が取り分。固定費がかかる店舗型では売上折半というケースも多いので、それに比べてHOGUGUはかなり稼げると思います。

充実した情報でミスマッチ防ぐ

── セラピストとユーザーは、どのようにマッチングされるのですか。

花岡:セラピストが出張可能な範囲を自分で設定しておき、そのエリアにオーダーがきたときにマッチングされるという仕組みです。

竹之内:私がまさに「HOGUGU」のヘビーユーザーなので説明させてもらうと、アプリを見るとセラピストの名前と顔写真がずらっと並んでいるんです。経験年数や口コミの点数、レビュー件数と内容、アピール欄に書かれている得意な施術などを見てセラピストを選ぶことができます。

花岡:やはり口コミの評価が高いほど選ばれやすくなります。1時間当たりの料金は6600円、8800円、1万1000円など段階になっていて、セラピストが自分で設定します。

 

── アプリは、ユーザー用とセラピスト用の2種類あるのですね。ダウンロード数はそれぞれどのくらいですか。

花岡:ダウンロード数はユーザー用が7000を超えました。セラピスト用は面談と実技をクリアして承認を受けた人しか使えないのでまだ1000程度です。この登録しているセラピストのレベルを保っている点、その上でユーザーからの評価も見られる点が「HOGUGU」の強みだと思っています。

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