「私の生き様、死に様を映画に残してほしい」
1970年代にニューヨークで、90年代後半からはシンガポールを拠点にアジアで活躍したヘアデザイナー、故・松尾俊二さん。
その半生を描いたドキュメンタリー映画「Shunji あるヘアデザイナーの物語」(田中幸夫監督)が、10月6日(土)~12日(金)の1週間、神戸・元町映画館で上映される。
昨年夏、松尾さんの自宅に招かれた田中監督は、ドキュメンタリー映画の制作を打診された。「私の生き様、死に様を映画に残してほしい」。
それは、肝臓ガンが膵臓に転移し、死を覚悟した松尾さんからの依頼。10月に逝去する、その40日前のことだった。
ニューヨークからアジアへ。世界で活躍
松尾さんは1950年、神戸生まれ。世界的ヘアデザイナーを目指してニューヨークに渡り、故・須賀勇介氏に師事。
10年後に独立し、高級サロンを展開すると、「VOGUE」や「ELLE」など一流ファッション誌でも活躍した。
90年代に入ると、アジアの時代を予見し、ニューヨークを離れる。シンガポールを拠点にアジアに店舗を展開。
2008年には、シンガポール政府が贈るSpirit of Enterprise賞を、日本人起業家としては初めて受賞した。
高齢者を美しく、元気に
さらに「寝たきり長寿国から、世界で一番高齢者が美しい国へ」の実現を目指し、高齢者のためのファッションショー「MAKE OVER MAGIC」を立ち上げた。活動の輪は現在、東京、神戸、シンガポールへと広がっている。
映画では、余命宣告を受けた松尾さんが、後進のヘアデザイナーに向けた本の執筆、ドキュメンタリー映画の制作、10月の神戸での「MAKE OVER MAGIC」開催を最後の仕事と決め、力を尽くす姿が描かれる。
■舞台あいさつ(予定)
10月6日(土)
田中幸夫監督、松尾彰子さん(次姉)、中原晴美さん(魅力学研究家)、高田裕さん(MAKE OVER MAGIC JAPAN代表)
10月8日(月・祝)
田中幸夫監督
10月9日(火) 【一周忌】
田中幸夫監督、皆川広一さん(神戸新聞事業社代表取締役社長)、花尾未乃さん(ヘアスタイリスト)、高田裕さん(MAKE OVER MAGIC JAPAN代表)
■元町映画館
https://www.motoei.com/index.html
上映は、各日10時30分から。
■MAKE OVER MAGIC
http://www.mmjgrand.com/