店販で伸びる「年間の客単価」　技術売上のみに比べて３～４割増

店販を行えば売上が伸びるのは当然とはいえ、肝心なのはどの程度伸びるのかということ。そこで、リクルートライフスタイルホットペッパービューティーアカデミーの「美容センサス2020年上期」から試算してみた。

美容室の年間利用金額（技術売上）

調査によると、女性の美容室の利用金額は平均6,846円、年間利用回数は4.48回。男性の美容室の利用金額は平均4,241円、年間利用回数は5.48回。

ここから算出される年間の技術売上は、女性が30,670円、男性が23,241円となる。

それでは店販購入総額はというと、１年間で女性が10,194円、男性が9,034円。

年間利用金額（技術売上）に店販購入総額を加えたものを「年間の客単価」として試算すると、女性が40,864円、男性が32,275円。

平均による単純計算ではあるが、店販を行うと、技術売上のみの場合に比べて、年間の客単価が女性は３割増、男性は４割増となる。

店販の購入経験率は、女性が34.7％、男性が35.6％。過去1年については、女性が15.3％、男性が18.8％。

男性の方が店販購入経験率が高いのは、美容室に通う男性は美容感度が高い層であること、男性用化粧品の売り場が限られていること、美容のアドバイスを受ける機会が少なく美容師のカウンセリングを重視していることなどが背景にあると考えられる。

この調査結果は、店販への注力が、経営の安定化に大きく寄与することを裏づけていると言えそうだ。