百貨店が消える日
そごう徳島が36年間の愛顧に感謝を込めて「報恩謝徳」のファイナルセールを行っている。
同店が閉店する今月末、2020年8月31日は、徳島県から百貨店が消える日だ。
今年1月には、江戸時代の荒物屋をルーツとする老舗百貨店・大沼が経営破綻し、山形県から百貨店が無くなった。これで、百貨店ゼロの県は2県となる。
日本百貨店協会の店舗所在地リストを見ると、百貨店が1店舗しかない県も多く、茨城、新潟、山梨、岐阜、富山、和歌山、福井、島根、香川、高知、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の15県に上る。
47都道府県の実に3分の1において、百貨店がゼロまたは1つしかないという、一昔前には想像もしなかった状況にある。
求められる「カウンセリング化粧品」売り場
百貨店だけではない。商店街はシャッター街となり、化粧品専門店が急速に数を減らしている。
化粧品は、ドラッグストアなどの店頭で自分で選ぶ「セルフ化粧品」と百貨店や専門店で相談する「カウンセリング化粧品」の二つに大別されるが、このままでは〝いいものを相談して買える〟場所であるカウンセリング化粧品の売り場が無くなっていく。
全国各地に約25万軒の美容室、約12万軒の理容室がその受け皿として求められている。