資生堂とヤーマンは合弁会社「株式会社エフェクティム」(東京都中央区、代表取締役社長:梅津利信)を設立し、2020年10月から営業を開始する。8月6日、両社が合弁契約の締結を発表した。
資生堂の化粧品ビジネス×ヤーマンの美容機器
出資比率は資生堂65%、ヤーマン35%。資生堂の化粧品ビジネス、ヤーマンの美容機器における知見・技術・ノウハウを組み合わせ、新たな美の価値を提供する。第1弾商品は、2021年に日本、中国などで発売する。
両社とも中国での認知度が高く、安全・高品質のMade in JAPANを強みとするブランドを「まず中国を注力市場とし、アンチエイジングや美容機器に関心を持つ中国のお客さまをターゲットに、クロスボーダーでビジネスを展開」(資生堂)する方針だ。
エフェクティムの所在地は、資生堂の銀座本店ビル内。代表を務める梅津利信氏は、2020年1月1日付で、執行役員経営革新本部長チーフストラテジーオフィサー経営戦略部長に就任している。
株式会社エフェクティム
所在地:東京都中央区銀座7-5-5
出資者:資生堂65%、ヤーマン35%
資本金:4.9億円
責任者:代表取締役社長 梅津 利信
編集長の目
実は10年ほど前にも、資生堂は美容機器とのコラボに挑戦しています。
パナソニックが2011年11月に発売した「超音波美容器 ハンディミスト(EH-SM30)」は資生堂が開発に協力し、化粧水は資生堂の「アクアレーベル モイスチャーローション」が専用品とされました。このハンディミスト本体に差しこんで使えるよう、この時、資生堂は専用ミニサイズを開発しています。
当時は、持ち運べる美容家電がモバイルビューティー、モバ美(モバビュー)としてトレンドだったため、ハンディミストのユーザーが化粧水の固定客になることと併せ、話題を集めた協業でした。※現在は廃番。写真は当時のプレスリリースから引用
美容機器とスキンケアは相性がよいのは事実ですが、協業ならではの難しさもあります。今回の資生堂とヤーマンの協業は、合弁会社を設立しての本腰を入れたもので、かつ広大な中国市場を狙うとあって注目です。
美容室の店販ではMTGが人気ですが、ヤーマンも「ヤーマンプロフェッショナル」として業務用・店販用の2ラインを展開しています。新会社エフェクティムからどのような革新的なブランドが誕生するのか、来年が楽しみです。
⇒(ご参考)ヤーマンプロフェッショナルの製品一覧
なお、最近の化粧品会社と機器メーカーの協業では、花王とパナソニックの取り組みが注目です。
皮膚の上にヴェールをつくるという〝第2の皮膚〟技術「ファインファイバーテクノロジー」は、美容・医療分野で事業規模1000億円をめざす花王の新事業。
その第1弾として昨年12月より、花王の「est(エスト)」、グループ会社であるカネボウ化粧品の「SENSAI(センサイ)」からスキンケア商品が投入されました。この専用機器をパナソニックがつくっています。
美容機器と専用化粧水・美容液の組み合わせは、今後も活発化していくことになりそうです。