ビューティガレージの2020年4月期連結決算は、売上高が前年同期比13.6%増の157億3000万円、営業利益が16.2%増の7億3000万円。2桁増の増収増益を達成した。
コロナの影響については、休業するサロンや制限営業を行うサロンが増えた4月単月の業績が前年同月比86.5%とマイナスだったが、ビューティガレージでは「美容サロン業界の流通で遅れていたデジタル化(EC化)が進む大きな契機になると思われ、中期的には当社に追い風」と捉えている。
目次
また同日、2024年度に売上高300億円、「サロン向けコンシェルジュ企業として、まずは美容ディーラー第1位を目指す」という中期経営計画を発表した。
ビューティガレージの通期決算
2020年4月期(2019年5月1日~2020年4月30日)※連結
▽売上高=157億3000万円(前年同期比13.6%増)
▽営業利益=7億3000万円(同16.2%増)
▽経常利益=7億4700万円(同15.6%増)
▽親会社株主に帰属する当期純利益=4億800万円(同7.1%増)
次期の業績予想
2020年4月期第2四半期(2020年5月1日~10月31日)
▽売上高=76億1000万円(前年同期比1.3%減)
▽営業利益=1億7000万円(同45.8%減)
▽経常利益=1億7200万円(同45.4%減)
▽親会社株主に帰属する当期純利益=5900万円(同63.4%減)
2020年4月期通期(2020年5月1日~2021年4月30日)
▽売上高=167億3200万円(前年同期比6.4%増)
▽営業利益=6億100万円(同17.6%減)
▽経常利益=6億500万円(同19.0%減)
▽親会社株主に帰属する当期純利益=3億5000万円(同14.1%減)
ビューティガレージの業績概要
物販、店舗設計、その他周辺ソリューションの各セグメントで、売上、利益とも前年実績を上回った。
セグメント | 売上高 (千円) | 前年同期比 (%) | セグメント利益 (千円) | 前年同期比 (%) |
物販 | 11,991,750 | 114.2 | 611,974 | 119.2 |
店舗設計 | 3,246,605 | 110.9 | 190,755 | 134.3 |
その他周辺ソリューション | 491,938 | 117.0 | 45,576 | 206.8 |
物販事業
物販事業は、売上高119億9175万円(前年同期比14.2%増)、セグメント利益6億1197万4000円(同19.2%増)。
顕著な動きとしては、NBヘア化粧品の取り扱いが大幅に増えており、化粧品・材料売上高が3年間で倍増している。
店舗設計事業
店舗設計事業は、売上高32億4660万5000円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益1億9075万5000円(同34.3%増)。
連結子会社のタフデザインが手がける店舗設計事業は、新規開業顧客に加え、大手チェーン店本部からの受注が増加した。
その他周辺ソリューション事業
その他周辺ソリューション事業は、売上高4億9193万8000円(前年同期比17.0%増)、セグメント利益4557万6000円(同106.8%増)。
その他周辺ソリューション事業については、単体での収益化以上に「グループの主力事業である物販事業や店舗設計事業への入り口、つなぎ役としての役割」に重きを置いている。
開業プロデュース、店舗リース、講習・アカデミーのソリューションサービスが堅調に伸長。居抜き物件を仲介する「サロン不動産ネット」も全面刷新を行い、掲載件数が増加した。
中期経営計画発表、2024年度に売上高300億円
また同日、2020~2024年度の5カ年の中期経営計画を発表した。
これまでの2014~16年度を土台構築、17~19年度を攻めのステージとしてきたが、これからの2020~22年度を成長加速、23~24年度を飛躍のステージと位置づけ、2024年度に売上高300億円を目指す。
これを実現するための主な施策は次の通り。
①利便性、品ぞろえ、価格、認知度を大幅にレベルアップ
② 物流機能の拡充と利便性向上
③ OMOコンセプトによる、オムニチャネル型販売の最適化
④ ソリューション事業の拡充
⑤ 新サービス創出と外部リソース取り込み
⑥ 海外事業の早期収益化と戦略見直し
市場環境や各社の成長率を踏まえると、5年後の300億円は国内の美容ディーラー首位の数字。
ビューティガレージは、従来のディーラー発想ではなくプラットフォーマーであり、ワンストップで多様なサービスを提供するサロン向けコンシェルジュ企業と自社を位置づけているが、そのためにもまずは「美容ディーラー」カテゴリーで頂点を取り、アジアNo.1を目指す構えだ。